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未定  作者: sherio
金髪
2/5

   



俺はビルの階段を駆け降り、先ほど見つけた路地へ走る。




「…!?」



路地へたどり着くと、さっき上から見たときにはいなかった金髪の少年が俺に背を向け、立っていた。


俺は身を潜め様子を伺うことにした。



「…誰だぁ?てめぇ」



3人の男のうちの一人が言う。



「………よ…弱いものイジメは……やめませんか…!?」



金髪は勇気を振り絞った様に、掠れた声で叫んだ。



「はぁ!?」

「弱いものイジメをやめろ?」

「こいつわかってねー!」



下衆達は同時に吹き出す。



「なっ…何をわかってないんだよ!何がおかしいんだよっ…」



金髪は肩を震わせて叫ぶ。



下衆の一人が笑いを堪えながらしゃべり始めた。



「あんなぁ小僧…この街は弱肉強食なんだよ。小僧、この街の人間じゃねぇだろ?俺たちみたいなのに逆らう奴は、この街にゃせいぜい一人ぐらいだ。…それにお前、身なりが随分綺麗だしなぁ。おい、どこから来たんだよ?」



「お前みたいな奴に、誰が教えるかっ…」



「ハハハッ、まいるぜ!そんな目で睨まないでくれよーあーこわい」



「お前、バッカだなぁ!この街はなぁ、入るこたぁできるけどよ、一度入ったら出られないんだぜ?」



「! 出られない…?」



「やっぱしらねえか。この街のトップは狂ってっからな、上が狂ってりゃそりゃもう無法地帯だぜ!ヒャッハーここぁ天国だぜ!!」



下衆野朗たちは興奮したように唾を飛ばしながら喋る。


ありゃーもう、ドラッグやりまくってんな…

焦点あってねぇし。


ま、この街にゃそんな連中ばっかだろうけどな。



「…」



金髪は黙ったままだ。



下衆の一人が、ボロボロになった少年の髪の毛をつかみ頭を持ち上げる。



「俺達ゃこーしてガキをなぶり憂さ晴らししながら、ドラッグやって酒飲んで働かず好きな事をできる…全く、最高だぜ。なぁ!?」



「うぐ!」ドサッ



下衆が腹を殴り、少年はうずくまる。



「「「ハハハハハハハハハハハハ」」」



下衆共の笑い声があふれる。


金髪は肩を震わせ、立ち止まったままだ。



あ~あ…

あいつも本格的にビビり始めたか?



…しょうがねぇ

俺が行くか…









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