第3章:王国誕生 ― 神々が見つめる未来
■ 王国建国式典 ― 世界が震えた日
ヤマト領の中心に建てられた広場には、
数千の住民が集まっていた。
今日──
ヤマト領は正式に “メガラニカ王国” として独立する。
壇上に立つヤマトは、
アイシャ、レミーア、マリアに囲まれていた。
マリアは王家の正装を纏い、
アイシャは紅蓮の戦装束、
レミーアは氷の紋章を刻んだローブを着ていた。
「ヤマト様……本当に、国を作るんだね」
アイシャが感慨深げに呟く。
レミーアはヤマトの袖を掴み、
小さく微笑んだ。
「ヤマト……すごい……」
マリアは静かに頷いた。
「あなたなら……王になれる。
私はそう信じています」
ヤマトは深呼吸し、民衆に向けて声を上げた。
「今日、この地は──
メガラニカ王国として生まれ変わる!」
歓声が広場を揺らす。
「俺は、民を守り、
仲間を守り、
この国を守る王となる!」
その瞬間──
空が裂けた。
光が降り注ぎ、
七柱の神々が姿を現した。
■ 神々の介入 ― 世界の理が揺らぐ
最初に降り立ったのは、
白い髭を蓄えた老人の姿をした最高神。
レグランド神。
「ヤマトよ。
よくぞここまで来た」
続いて、知識の女神ローズディズ、
大地の女神ウェイシャン、
海の神オーレン、
天の神リーベック、
冥界の神ヨセンハン、
そして──
感情の女神メルカーナ。
住民たちは恐怖と畏敬で震えた。
ヤマトは一歩前に出る。
「……何のつもりだ、レグランド」
レグランドは笑った。
「祝福だよ。
お前が“国”を作るとは思わなかったが……
悪くない」
メルカーナがヤマトの頬に触れた。
「あなたの感情……とても綺麗。
もっと見せて……?」
アイシャが即座に刀に手をかける。
「触るな!」
レミーアもヤマトの腕にしがみつく。
「ヤマトは……渡さない……!」
マリアは一歩前に出て、
神々に向かって剣を構えた。
「神であろうと……
ヤマトを勝手に扱うことは許しません!」
レグランドは愉快そうに笑った。
「面白い仲間を持ったな、ヤマト」
だが──
その時、空が再び揺れた。
黒い霧が広がり、
冥界の神ヨセンハンが不気味に笑う。
「……この国は、狙われるぞ。
“あの国”が動き始めている」
ヤマトが眉をひそめる。
「“あの国”……?」
ヨセンハンは低く呟いた。
「アークトゥルス公国だ。
お前の国の誕生を……快く思っていない」
マリアが息を呑む。
「アークトゥルス……北方の軍事国家……!」
レグランドが言った。
「ヤマトよ。
お前の国は、これから試される。
だが──
お前なら乗り越えられるだろう」
神々は光となって消えた。
広場は静まり返る。
ヤマトは拳を握った。
(……来るのか。
次の敵が)
■ 恋の火種 ― マリア、アイシャ、レミーア
式典後、ヤマトは王城の一室に呼ばれた。
そこには──
マリア、アイシャ、レミーアの三人がいた。
空気が……重い。
マリアが静かに口を開く。
「ヤマト。
私は……あなたを尊敬しています。
そして……惹かれています」
アイシャがすぐに反論する。
「私だって……ヤマトのそばにいたい!
ずっと一緒に戦ってきたんだよ!」
レミーアはヤマトの袖を掴み、
涙を浮かべながら言った。
「ヤマト……私……あなたがいないと……
生きていけない……」
三人の視線がヤマトに向けられる。
(……これは……まずい)
ヤマトは深呼吸し、
三人の手をそっと握った。
「俺は……
お前たち全員が大切だ」
三人の顔が赤く染まる。
マリアは微笑んだ。
「……なら、私は諦めません」
アイシャは胸を張る。
「私も!」
レミーアはヤマトに抱きつく。
「ヤマト……大好き……!」
ヤマトは苦笑した。
(……これから大変だな)
■ 新たな敵国の影 ― アークトゥルス公国
その頃、北方のアークトゥルス公国。
黒い鎧を纏った男が、
玉座の前で跪いていた。
「メガラニカ王国……
あの小僧が国を作ったか」
玉座に座るのは、
アークトゥルス公国の支配者。
ルナ・エレガント公。
その瞳は冷たく、
どこか狂気を孕んでいた。
「……ヤマト。
あなたは……邪魔なのよ」
ルナは立ち上がり、
黒い魔力を纏う。
「冥界の神が封じられた今……
私が“新たな神”になる」
側近が震えながら言う。
「ルナ様……まさか……」
「ええ。
メガラニカを滅ぼし、
その力を奪う」
ルナの笑い声が、
公国全土に響いた。
■ 国家魔法創造 ― 王の力
王城の最上階。
ヤマトは一人、魔法陣の前に立っていた。
(国を守る力が必要だ……
神々に頼らず、
自分の手で守れる力が)
ヤマトは手をかざした。
「《魔法創造──国家魔法》」
光が溢れ、
巨大な魔法陣が空に浮かび上がる。
【国家魔法《国護》】
──国境内の味方の能力を底上げし、
敵の魔力を弱体化する
“国そのものを守る魔法”
【国家魔法《天眼》】
──国境内のすべての動きを把握する
“王の千里眼”
【国家魔法《転移門》】
──国中のどこへでも瞬間移動できる
“王の移動権”
ヤマトは息を吐いた。
「……これで、守れる」
アイシャが駆け込んでくる。
「ヤマト! すごい魔力が……!」
レミーアも驚愕していた。
「ヤマト……これ……国の魔法……?」
マリアは静かに微笑んだ。
「あなたは……本当に王になったのですね」
ヤマトは三人を見つめ、
静かに頷いた。
「これから戦いが始まる。
でも……俺たちなら勝てる」
三人はヤマトの手を握った。
「もちろん!」
「ヤマトと一緒なら……!」
「私も……戦う……!」
こうして──
メガラニカ王国は、
真の意味で“国”として動き始めた。
そして、
アークトゥルス公国との戦争の火蓋が、
静かに切られようとしていた。




