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【完結】 学園の聖女様はわたしを悪役令嬢にしたいようです  作者: ナロー


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74/120

74 話す決心を


 …………。そしてその日の授業が終わり、翌日になり、放課後へと至る。シャンディーには事前にこう言っていた。


「今日は放課後に友人に部活を見学していってと言われているので、先に帰っていていいですよ」

「えー⁉ それじゃあわたしも一緒に見学したい!」


 シャンディーはアリエスと一緒にいたいのだ。しかし……。


「ごめんなさい、高等部の部活だから、中等部のシャンディーは……」


 言葉を濁すアリエスに、話を聞いていたドロナが助け船を出した。


「シャンディー、聞き分けなさい。アリエスさんが困っているでしょう?」

「でもー……」


 なおも渋るシャンディーに、アリエスは仕方なしというように言うのだ。隠れてついてこられて、ピナと会っているところを見られても困るので……。


「それなら、わたしが戻るまで停車場で待っていてくれませんか? なるべく早く終わるようにしますから」

「…………」

「ね。それならいいでしょう?」

「……分かった、早く終わらせてね、約束だよ」

「はい、約束です」


 そうしてなんとかシャンディーを説得して……アリエスは放課後の学舎裏へとやってきたのである。

 ピナはすでに来ていた。彼女は学舎の壁に背中をもたせながら地面に座り、魔法学の教科書を読んでいた。

 アリエスの近付く音に気付いた彼女は、教科書を閉じて立ち上がる。スカートについた土を払いながら。


「来たわね。危うく教科書を読み終わるところだったわ」


 どうやらずっと前からここで待っていて、読んでいたらしい。


「まあ、どうせもう何回も繰り返し読み込んじゃってるんだけど」

「勉強熱心なんですね」

「授業を受けてないからね。せめて教科書くらいは読んでおかないと。学園に来てるときは暇を持て余してるし」


 それは前世のアリエスと同じだった。前世のアリエスもまた、悪役令嬢として悪戯やその準備をしているとき以外は、教科書や参考書を読み込んでいたものだった。


「そんなことより……他に誰もいないわよね?」

「はい。言い訳をして一人で来ました。とはいえ早めに停車場に向かわないと、変に思われてしまうかもしれませんが……」

「うん、それはそうね。じゃあ……昨日のあんたの質問に答えるわよ」

「話す決心をつけてくれたんですね」

「昨日そう言ったじゃない。だからここに来たわけだし」

「…………」



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