表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】 学園の聖女様はわたしを悪役令嬢にしたいようです  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/120

13 屋敷の主


「ごめんなさいね、変なこと聞いたりして……」


 ややあって母親が口を開いた。アリエスの身の上を不用意に尋ねてしまったことに、気まずさや後悔の思いを抱いているようだった。


「いえ……もう折り合いをつけたことですから……」


 だが、気まずさを感じているのはアリエスも同じだった。自分は一度死んで、転生した……たとえ信じられないようなことだとしても、真実を伝えずに嘘をついていることに少なからず罪悪感を抱いているのだ。


「私、先に出ていますね。着替えの下着は新品ですのでご心配なく。私はお料理の準備の手伝いと、今日は休日ですから夫にも声をかけておきます」

「メイドや執事に任せているのではないのですか?」

「忙しいときはそうしていますけれど、手が空いているときはなるべく自分でもやるようにしているのですよ。メイド達との交流にもなりますしね。まあ、彼らは緊張してしまうようですが」


 ドロナが微笑み、アリエスもまたつられて苦笑する。一家の奥方であり、自分達の雇い主が一緒に家事をするとなれば、確かにメイドや執事達は緊張もしてしまうだろう。


「シャンディー、アリエスさんに迷惑をかけてはいけませんよ!」

「はーい、分かってまーす」


 ぷかぷかと浮かびながらシャンディーが手を上げる。母親はやれやれとしながら、


「アリエスさん、こんな娘ですがよろしくお願いします」

「さすがにいまはもう溺れないとは思いますけど」

「それだけでなく……いえ、なんでもありません」


 何かを言いかけたドロナだったが、言うのをやめて風呂から上がると脱衣所まで向かっていった。

 何を言おうとしたのか気になったアリエスだったが、


「お姉さん見て見てー、シンクロナイズドスイミングー」


 手を上げてそれっぽいポーズを取るシャンディー。


「いまはアーティスティックスイミングって呼ばれているらしいわよ」

「そうなのー?」


 ドロナの言葉について、アリエスはシャンディーがお風呂場で怪我をしないように見ていてほしい……そのような意味だと解釈していた。まだ初等部の高学年か、あるいは中等部くらいに見えるシャンディーだから、元気があり余りすぎたり無茶をして怪我をする危険性があるかもしれないからと。


 ドロナの言葉の真意や、言いかけたことが何だったのか、それを知るのはアリエス達が風呂から出てダイニングに向かったときだった。

 ダイニングはとても広かった。今朝アリエスが目を覚ましたアパートの一室など簡単に収まってしまうくらいの広さで、下手をすればアパートの全室を合わせたよりも広いかもしれなかった。


 天井には豪華で大きな魔法具のシャンデリアが下がり、壁には廊下などと同じく絵画や彫刻のレプリカが飾ってある。また長すぎるテーブルのそばにはメイドや執事が控えていた。

 その長テーブルの先端の席に、一人の男が座っていた。おそらくはこの屋敷の主だと思われたが……アリエスが戸惑ってしまったのは、その男はパジャマ姿で、髪もぼさぼさだったからだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ