8.続、四日目の出来事
四日目の夕刻
M『いよいよ、アイリスさんの番です。アイリスさん、どなたに投票なさいますか?』
ようやく、私は真相に辿り着けた気がする。
そうだ、これなら、私が遭遇してきたあらゆる場面を、きちんと説明することができる。私の味方である村人側の人物が誰であり、敵である人狼側の人物が誰なのか……。
そして、今、私が投票をなすべき人物……。それは、四人の中でたったひとりしかいなかった。
もし、選択を誤まれば、村人側の勝利は消滅していたのだ。これから私が投じる票は、このゲームの勝敗を決定する最後の一撃であった!
M『アイリスさん……?』
再び、ミスズが声をかけてきた。
I「はい、遅れてすみません。私が投票する人物は……」
胸がトクトクと高鳴ってきた……。
I「グレイさんです!」
私ははっきりといい放った。
M『チイさん、最後です。どなたに投票されますか?』
ミスズがチイにチラッと目をむけた。
C「アイリスさんです」
M『投票結果は、アイリスさんとグレイさんが二票ずつです。したがって、本日の集団暴力は執行されません』
四日目の夜
夜の部屋割りは、フォックスとグレイが春の間で、チイと私が夏の間に泊まることになった。私はチイとふたりで、最後の夜を過ごしに、夏の間へむかう回廊を歩いていった。
C「あいちゃん、はじめてなのにすごいです。最後の投票でよく間違えませんでしたね」
I「ありがとう、チイちゃん。とても、面白かった……」
C「私も、あいちゃんと会えて楽しかったです」
チイは微笑んでいたが、やがて、その表情が淋しげに沈んでいった。
C「じゃあ、いよいよですね」
I「うん、これでお別れだね」
私はこくっとうなづいた。
C「いただきまーす!」
チイが私に襲いかかった。