シチューをこぼしてしまった
これは詩と言うカテゴリで良いものなのだろうか
世人は愛人にシチューを振舞う
三日三晩熟成させた特製シチュー
うまいシチューは生命力に富み、生卵を割り入れることで完成される。
シチューの具材は千差万別であり、シェフの個性の見せ所でもある。
溺れた人を慰めるため、私はシチューを振舞おうとした。
しかし、その人は謙遜して受け取ろうとしない。
その日は結局諦めて、またいつか振舞うことに決めた。
心を込めて熟成させた特製シチュー
控えめな君は食べようとしない。人から物をもらうのは忍びないと言い。
華奢な君は食べようとしない。小さな体に見栄えるシチュー。
私は勧める。君は断る。叫ぶ。逃げる。それを捕らえる。焦るあまりに。
シチューをこぼしてしまった。