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帝都に到達! アクトとの再会

ラストの方だけ見ても楽しめますが、世界観に入れるように頑張りましたので通しで見てもらえると嬉しいです。五英スティルトンを倒して、ついに帝国領土に着いたゼロ達……物語が加速します

「凄いデカいな……」


「うむ、どうやって作ったのか気になるのじゃ」


 俺とプラムは体をそらすようにして、帝都内に建つ建物を見上げる。


 手紙に書かれていった塔は実際に見るとすごくデカく、頂上から伸びた通路の先に広場のような場所があり、その上に城が建っていた。


「このまま帝国領土に、入れてもらえるのか?」


「手配書は出回ってないじゃろうし、大丈夫じゃろう」


 確かにこの一ヶ月ほどの旅で、そのようなことは言われてないしな。


 今、俺達は帝国の側に着いたばかりだった。辺りは花や草木が人工的に植えられていて、岩の覆われていたラルクとは大違いだった。


「帝都はすごいんだな」


「今までと違って、入口も厳重じゃな」


 帝国の入口の周りは溝が彫られていて、石橋を通らないと入れないつくりになっている。


「肌がべたつくのじゃ……」


 歩いているとプラムがそう声を漏らす。


「ああ、たぶん。海が近いんだろう。潮の匂いもするしな」


「海? あのデカい水たまりの事かの?」


 顎に手を当て、思い出すようにそう聞いてきた。


「見たことないのか?」


「バカにするでない! 本でみたことはあるのじゃ! いろんな場所につながっておる水たまりじゃろ?」


 ムッとした顔でそう捲し立てられる。


「悪い、悪い。その水たまりのせいだろうな、肌がべたつくのは」


「む~、バカにしおって。この水もそうなのじゃな?」


「そうだな。ラルクと一緒で、地下でつながっているんだろうな」


「不思議なものじゃな」


「そろそろ行くぞ?」


 しゃがみこんで橋の下を覗くプラムに、そう声をかける。


「ぬ? ああ、そうじゃの」


 ハッとした表情をして、プラムは立ち上がった。


 その様子を見て俺はまた、歩き出す。


「おい、止まれ!」


 門の前で黒い甲冑の槍を持った男に呼び止められる。


「ん? どうしたんだ? 中には入れてくれないのか?」


「そうだ。上からの指示で、この国の人間以外通すなと言われている」


 警戒はしているという事か……城壁の上にも何人かいるな。


「どうする?」


「うむ……」


 小声でプラムに判断を仰ぐ。


「おい、止まれ。止まれ」


 上から叫ぶような声がして振り向くと、すごい勢いで馬車が突っ込んでくるのが見えた。


「プラム、掴まれ」


 咄嗟にプラムを抱きとめ、刀を構える。


 俺達のすぐそばで馬車は止まった。


「何者だ!」


 兵士が槍を構えて、そうたずねる。


「物騒だね? 俺だよ、ドラコの帰還だよ」


 馬車から金髪の男がバラをくわえて下りてきて、兵の前に立つ。


「ど、ドラコ様。ご無礼を……」


 ドラコという男の姿に、兵はすぐに態度を改める。


「いや、いいよ。それより、そこの二人は俺の客人なんだよ。入って良いよね?」


「し、しかし……これは大臣の指示でして……」


「はぁ、君これ……」


 ドラコが兵士に何かを渡す。


「おい、門を開けろ。ドラコ様の帰還だ」


 それを確認した兵士は、城壁の上にそう指示を出した。


「さ、詳しくは屋敷で話そう。乗って?」


 馬車を指さして、俺達にそう声をかけてくる。


「どうする?」


「従うしか、入れないようじゃしな……行くぞ、ゼロ」


 その言葉に、馬車に乗ることを決めた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 馬車にのり込み、座る。


 向かいの席には、ドラコとアクトが座っていた。


「あ、アクトなのじゃ! ゼロ」


「ああ、何でこんなところに?」


「詳しい説明は、屋敷に着いてから出お願いしますね? アクト」


 俺達の言葉に、ドラコがそうくぎを刺す。


「……ぐ~」


「これ、寝てないかの?」


 アクトの姿を見ながら、プラムがそう聞いてきた。


 腕を組み、目を開けたまま鼻提灯を作っている。


「寝ているな」


「妾も、眠るかの。ゼロ、膝を借りるのじゃ」


 プラムはそう言って、すぐに寝てしまう。


 疲れていたんだな。


「悪いな」


「お兄さんも寝ていいんですよ?」


 ドラコはニコニコと、楽しそうだ。


「いや、大丈夫だ」


「そうですか……では、俺も寝るね~」


 ドラコはそう言って、目を瞑ってしまう。


 俺は馬車が止まるまで、プラムの頭を撫でて過ごした。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「到着しました……おや、皆様お眠りでしたか?」


 馬車が止まり、馬車を操縦していた白髪の老人が、ドアを開けてそう声を出す。


「すまない、今起こす」


「いえいえ。坊ちゃままで、これは失礼を」


「いや、かまわない。プラム、着いたぞ」


「うにゅ? おぉ、そうか――着いたのじゃな」


 眠たそうに眼をこすり、あくびをしながら起きてくれた。


「む、着いたか。ドラコ、早く起きろ」


 アクトも目を覚まして、横で眠るドラコを揺する。


「おお、爺や。すまない、すまない」


「坊ちゃま、爺はここですぞ?」


 馬車の外で、お爺さんがそう声を出す。


「おぁ、これは失礼。皆を案内してくれ爺や」


「イエス、マイロード。皆さま、こちらです」


「ドラコは来ないのか?」


 馬車から降りないドラコに、そう声をかける。


「野暮用を済まして、すぐ向かうよ」


「そうか……では、邪魔をさせてもらう」


 爺やと呼ばれた、お爺さんに案内を頼み屋敷の中に入っていく。


 西洋風の作りで、廊下には等間隔に蝋燭があり、かなりの広さだ。


 天都で泊めてもらった場所より、豪華な気がした。


「こちらでお待ちください」


 廊下を進み、一番奥の部屋に着いたところで、そう言われる。


 部屋の中はこれまたかなりの広さで、真ん中に丸いデカいテーブルが置かれていて、それを囲うように椅子が四つ置かれていた。


「円卓か……ゼロ、プラム様。座って、軽く状況説明をさせてくれ――」


 アクトの提案にうなずき、手前の席に座る。


 ドアから見て手前に俺、右手側にアクト。そして左側にプラムが座った。


「後二回朝日が昇れば、帝都周辺に隠れた兵たちがここを目指し突撃してくる。それまでにドラコに案内を頼み、内部破壊もを試みることになった。そこにたまたまゼロたちの姿を見てな、馬車に乗ってもらったわけだ」


「つまり、ドラコもレジスタンスという事になるのじゃな?」


「そうです。ドラコは貴族でありながら、今の貴族制度に反対し、レジスタンスの骨組みを作った大物です」


 アクトはこぶしを握り、熱く説明してくれる。


「そうか……奴隷を集めていたようだが、どれくらい集まったんだ?」


「約、百人だ。その時にドラコに会ってな、何とかそこまで集めることができたんだ」


「百か……そうだ、俺達の方も助っ人を見つけたぞ」


「何と!?」


「勝手に悪いな。三十人くらいはこれそうだ」


「いや、助かる。百三十か……持ちこたえている間に、王を斬らねばな」


 やはり、時間稼ぎにしかならないと思っているようだ。


「アクト、一つ質問じゃ」


 プラムが手を上げて、そう声を出す。


「なんですか?」


「帝都の城は何時からあそこまで高い位置に移動したのじゃ? もう少し低かったはずじゃが……」


「ここ二年……ですね」


 アクトは言いながら、ありえないという顔になる。


「昔は違ったのか?」


「うむ、あんな変な塔はなかったのじゃ」


「プラム様の言うように、妙ですね。二年であれほどの城を作るなんて……」


 二年で建つような高さではないよな。


「ミモレットの入れ知恵か……」


「そうじゃ、それに違いないのじゃ」


 俺のつぶやきに、プラムが机に身を乗り出して声を上げる。


「ミモレット? 誰ですか?」


「道中で戦った、四天王の生き残りじゃ! あ奴の知恵なら、作れるやもしれぬの……」


「待たせた! 皆の者」


 突然ドアが勢いよく開き、ドラコが入ってきた。


 その勢いのままニコニコと、一番奥の椅子に座る。


「これで、レジスタンスの代表がそろいましたね」


 アクトがそう声を出す。


「うむ、作戦会議を始めるのじゃ」


 プラムがテーブルに両肘をついて、手の甲に上に顎をのせる。


 それから各々の情報共有をしていき、作戦時の行動を綿密に決めた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 作戦会議を終え日が落ち始めた頃、プラムとともに街を歩く。


 会話は控え、目立たないように進む。


 しばらく歩いたところで、街外れの高台に着いた。


 辺りは木が生い茂り、木の葉のかすれる音が心地よい。


「静かでいい場所だな」


「うむ、ドラコの言う通りじゃな」


 プラムは階段の側に立ち、街を見下ろしている。


「海が見たかったんじゃないのか?」


 プラムは最初、海が見たいとドラコに言っていたはずだ。


「妾の背丈では、見えそうにないのじゃ」


 確かにそうだな、俺からも木が邪魔で見えにくい。


「奥に進めば見えるのかもな? まだ少し登れそうだぞ」


 辺りを散策していると、祠のようなものの奥に石段が見えたので、そう声をかけた。


「そうか……じゃがここでいいのじゃ――」


 何時になく元気のない返事に心配になる。


 短くなった髪を手で触り、街から目を離さない。


「他に目的があったのか?」


「ゼロ、約束をしてもらいたいことがあるのじゃ」


「約束?」


「うむ。この戦が終われば、世界を回ってほしいのじゃ」


「いつも言っているが、俺は死ぬまでプラムと一緒だぞ」


「そうか……いや、忘れてほしいのじゃ。弱気はいかんの」


 プラムは俺の方に振り向き、笑った顔を見せる。


 落ちる日に照らされた顔はとても美しく、宝石のようだと思った。


『アイスプリズン』


 突如、何処から声が響き、体が動かなくなる。


(プラム、逃げろ……)


 俺は声すら、出せなくなっていた。

















ええところで終わるやないの(笑)お待たせしましたです。すみません。


残り、2~3話で終わりですよ! やっとあの話が書ける。


こんかいから、文字数を増やしておおくりですが、長いと感じた方は、コメントくれると嬉しいです!


焦っているとか、文字を増やしたいとかでなく、世界観に没入をできるようにファイトしましたです!


まあ、読みずらいと意見が多くなれば分けますが(笑)


良い感じのところ申し訳ないですが、この後書きをかいている今、原稿はゼロ文字ですわ(泣)

頭には構築されているので、週末までには書いて、焦らず今月中の連載終了目指します!

では、次回も読んでもらえると嬉しいです!最後までありがとうございますです

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― 新着の感想 ―
[良い点] 全然読みづらいと感じなかったです! 会話分が多いとスラスラ読めちゃいますので! [気になる点] そこでおわるぅぅぅう() [一言] 作者様のペースで、お体にお気をつけて頑張って下さい!
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