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ラルクの歌姫② バトル? スティルトンを斬る

ついにバトル回、お待たせしましたです!



「姫。さ、お座りください」


 アレキサンダーがシエルに提案する。


「「何故、お主が仕切っておるんじゃ?」」


 プラムとビスコッティが、ハモッた。


「ふふ、賑やかですね」


 ビスコッティの隣に座りながら、シエルがそう声を出す。


「ふん、そんなことないわい」


「これで役者はそろったのじゃな?」


 プラムが俺の膝の上に座ったまま、座ったメンバーの顔を見渡す。


「うむ、そろったぞ! では、ガリレオ。この後の作戦と状況説明を頼む」


「はい、今回の戦で我らの兵の損亡は無し。この後の帝国の進軍に備えて、私は警戒強化にあたるべきかと」


「それは良かったです。そうですね……もし、五英が来た場合は、貴方方も逃げてくださいね」


「それは、心配無用じゃ! ゼロはすでに五英を二人倒しておる」


 その言葉に全員の視線が集まる。


「ほう、どのような奴らなんだ?」


「貴方はやはり強いのですね……」


「英雄を倒したじゃと? 信じられん」


「おじいちゃん、希望が見えたかもしれませんね」


 各々が、思い思いに話す。


「ええい、騒ぐでないのじゃ! 作者が書きづらいであろう」


 プラムがよく分からない怒り方をする。


「その話は置いといて、警備の状態はどうなっているんだ?」


 俺はそれらを流して、ビスコッティに説明を求めた。


「うん? ああ、お前らが入ってきた場所以外は……地下の海からしか入れるぬから、正面に見張りを五人は配備しておるぞ?」


 海があるのか……


「地下から入る可能性は?」


「不可能じゃな。ワシかシエルにか地上への行き方は分からぬのでな」


 そういうことか、確かにこの屋敷は迷路のような作りだ。


 そう簡単には進めないだろう。


「ゼロ、我が軍門に入らぬか? 世界の果てを目指そうではないか?」


「いや、興味ない」


 アレキサンダーの提案を、きっぱりと断る。


「お前も男だろう? 胸躍る冒険をしたいと思わないのか?」


「そもそも、何の話をしているんだ?」


「はぁ、すみません。私達は東の果てを目指して、旅をしていたんです。そのお誘いかと」


 熱くなるアレキサンダーに変わって、ガリレオが説明を入れてくれた。


「ならん、ゼロは妾と旅をするのじゃ!」


「ぬ、なら、お前も連れて行ってやろう! 世界は広いぞ」


 しつこく俺を勧誘してくる。


「嫌じゃ、お主みたいな暑苦しいやつと旅何て、ごめんじゃ」


 プラムの言葉に、ガリレオをが小さく笑い声を出す。


「そうか……残念だ」


 アレキサンダーは頭をかいて、深い溜息を吐いた。


「あの~、戦の話はどうなったんですか?」


 シエルが、申し訳なさそうにそう声を出す。


「おお、そうじゃったの! ゼロよ、この町を救ってから、帝都に向かってよいか?」


 プラムが俺を見上げながら、聞いてくる。


「勿論かまわない。それに、アレキサンダーは革命にも協力的だぞ」


「なんと!? では、尚の事トラブル解決じゃな」


「ふふ、頼もしいですね。おじいちゃん」


「ふん、海賊や旅人に町をゆだねることになろうとは……」


 その時、外で鐘が鳴り響く。


「何事だ?」


「敵襲じゃ! シエル、部屋に隠れていなさい。ほれ、お主ら早くいかんか」


「ハハハハハ、急かすな! 領主。すぐに向かってやるわい」


 大声で笑い、アレキサンダーは立ち上がった。


「妾達も行くのじゃ!」


 プラムもそれに続き、立ち上がる。


「ご武運を……」


 部屋を後にする俺達にシエルは、そう言葉をかけてくれた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 町の外に出ると、すでにかなりの数の帝国兵が見えている。


「業況は?」


 近くにいた兵に、ガリレオが聞く。


「不味いですね……奥の場所で緑色の鎧の少年一人に、先遣隊が抑えられています」


「何だと! そんな子供がいるのか? 是非とも手合わせしたいな」


 アレキサンダーは楽しそうな声でそう言う。


「いや、五英じゃろうから妾達に任せて、雑魚を頼むのじゃ!」


 プラムは腕を組んで、冷静に配置を決めていく。


「そのほうが統率も取れて、よさそうですね……アレキサンダー、ここは任せましょう」


 プラムの指示を聞いたガリレオはそれを了承し、準備に取り掛かる。


 プラムのこういう姿は本当に頼りになるな……


「何をぼさっとしておる。ゼロ、気合を入れていくのじゃ」


「ああ、すまない。行こうか」


 後衛をアレキサンダーに任せ、兵士の案内を頼りに、五英の場所に向かう。


「あれ~、コロシアムのお兄さんじゃん。どうしたのこんなところで?」


 思った通りそこにいたのは、スティルトンだった。


 辺りには帝国兵は一人もいなく、開けた岩地帯だ


 兵士の首をへし折りながら俺達の方を見て、話しかけてくる。


「貴様を斬りに来た! プラム、下がっていろ」


「気張るのじゃぞ!」


「ふん、もう油断はしないよ」


 手に持った兵士を地面に投げ捨てて、スティルトンは拳を構える。


「プラム。強くなった俺を見て、惚れ直してくれ!」


 俺はそう声を出し、居合切りの構えを取った。


「何、バカなことを言っておるんじゃ! 直すも何も、一度も好きになっておらぬわ!」


 プラムは顔を赤くして、そう返してくる。


 照れているな、可愛い奴め。


「僕から――え?」


 スティルトンの腕が吹き飛ぶ。


「一の型、雷神一閃らいじんいっせん


「な、なんだよこれ? ありえない。僕が斬られるなんて……」


 スティルトンが、取り乱す。


「……」


 俺は何も言わず、構えなおす。


「く、仕方ない――僕も剣を抜くか……」


 スティルトンは、残った左手で腰につけた短剣を抜いた。


「なんだ?」


「どうなっておるんじゃ?」


 短剣は持ち手しかなく、刀身がみえない。


「死ね、エキゾチック――」


 スティルトンは技を発動することなく、地面に倒れた。


「何か知らんが、俺のが速かったな」


「いやいやいや、そこは、技を見てやる場面じゃろう」


 プラムが俺の方に駈け寄ってきて、体をゆすってくる。


「いや、戦場でそういうのは……」


「しかもなんじゃ? お主は一度も動いているようには、見えなかったのじゃが?」


「神速を超えたからな、何で怒られているんだ?」


 分からない。せっかく倒したのに。


「いや、作者が必至で考えた設定や読者の期待がじゃな」


 また、訳が分からないことを言い出したな。


「そういう事は、言わないほうが良いんじゃないか?」


「ム~。何か、物足りないのじゃ!」


 プラムの説教を聞きながら、アレキサンダー達の方に合流するために移動する。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


「アララララーイ!」


「「「ぎゃぁあああああ!!!!!!」」」


「あらかた片付きましたね」


「お主らもかい! なのじゃ」


 プラムのツッコミが、二人に炸裂した。


「どうしたんだ一体?」


 アレキサンダーが、戸惑った声を出す。


「いや、気にしないでくれ。もう終わったんだな」


 逃げていく帝国兵を見ながら聞く。


「はぁ、こちらは終わりました。そちらはどうでしたか?」


「五英が居たが、倒したぞ?」


「ほぉ、そうか! お主とはいつか対戦してみたいな!」


 バシバシとアレキサンダーは俺の背中を叩いてくる。


「模擬戦なら、戦争が終わればできるかもな……」


「お二人とも、友情を深めるのもいいかもしれませんが、報告に行きますよ?」


「それもそうだな! 者共、撤収!」


「プラム、行こうか」


 俺はプラムを背負って、町に向かって走り出す。


 ガリレオとアレキサンダーは馬に乗って、町に戻っていく。


「何だかな~なのじゃ」


 依然、不満そうな呟きが、背中から聞こえた。






スティルトン


風を使う五英。風を圧縮して飛ばしたり、風を纏って刀身を隠した武器で敵を斬ります。


羅朱拳らっしゅけん拳から圧縮した風をくり出す。


術式解放知覚周全防ちかくしゅうぜんぼう風を纏い、全ての攻撃を無効にする。ただし、目に見めない速さは、対処できない。


まあ、主な技はこんな感じです! 書籍化したら、もっと出番あるかもです! スティルトンファンの方、応援よろしくお願いしますです(笑)


適当になったわけでなく、文字数の関係でこうしましたが、楽しんでもらえたら嬉しいです。


次回でラルクの話はおしまいです。


いよいよ帝都に? 次回も読んでもらえると嬉しいです



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― 新着の感想 ―
[良い点] 全体を通して、わかりやすい物語としてまとまっておられると感じております。 小難しい説明や背景、世界観を置き、ゼロとプラムのお話としてえがくという的の絞り方が良いと思います。 書き手としては…
2021/11/07 08:32 退会済み
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