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五英ラングルを斬る後編

前回の続きです。

良ければひとつ前から、お読みください。

「いきますよ! ウォーターウィップ」


 ラングルの槍から水が出てきて、それを鞭のように振って俺に振り下ろしてくる。


 水を自在に操るのがラングルの能力のようだ。


「二の型雷鳴迅雷、一の型紫電一閃」


 俺はその鞭をかわしながら加速し、ラングルと距離を詰め、一の型でラングルの肩から胸の辺りまで切り裂く。


 醜い悲鳴を上げた直後に、嫌らしい笑みを浮かべその姿が水に変わる。


「なんちゃって~。『ウォータードラゴン×3』」


 バカにしたような声が響き、俺にめがけて泉の中から、水の竜が飛び出してきた。


「なっ! くぅ。四の型、雷光一閃」


 俺は、三匹もろとも切り落としにかかる。


「無駄無駄、苦しんで死になさ~い」


 湖の方から、ラングルの楽しそうな声が響く。


 その言葉の通り、水の竜は勢いを落とすことなく俺に直撃する。


「ぅぅぅぅぐはっ」


 俺は竜の腹の中に入れられてしまう。


「それでは仕上げいきますよ、ウォータープリズン」


 その言葉とともに竜は形を変え、一つの長方形の檻の形になって俺を閉じ込め空に浮かぶ。


「ぐ、うううう」


 なんとか出ようと檻の端に行き、泳いで出ようとするも出ることが叶わない。


「無駄ですよ、私の水は斬ることも押し開くことも不可能。勝負ありです」


『一の型紫電一閃』


ラングルの言うように刀で斬っても、水はすぐに元の形に戻ってしまって出ることは無理そうだ


「おい、嘘じゃろ? ゼロ、しっかりせぬか! 毎回毎回五英と戦う時は苦戦して、妾をハラハラさせて楽しむつもりか?」


「おい、そこの小娘。今、五英と言ったか?」


 プラムの言葉にラングルが反応して聞く。


「おお、言ったのじゃ! ゼロの強さは、お主らより上じゃ」


「それは前にも、他の五英と戦ったと?」


「そうじゃ、なんじゃったかの。そうじゃ、ロックフォールを倒したのじゃ!」


 そうプラムが言った瞬間、水の鞭がプラムを襲う。


「ぶふふふうふ」


 俺は声にならない声で、プラムに伏せるように言う。


「ほゎ、危なかったのじゃ――」


 尻もちをつくように、プラムがその場にコケて鞭をかわす。


 ただ、美しい銀髪が空に舞って風に流れていく。


「髪にかすってしまったの」


 プラムは短くなった髪に手を当てて、そう呟いた。


(よくもよくも、プラムの美しい銀髪を。許せない許せない)


「外しましたか、次はその頭を消し飛ばしてあげますよ」


 泉の中から聞こえたその言葉に、更に怒りがあがる。


 俺はプラムを傷つけられた怒りと、守れなかった自分への怒りから体が熱くなっていくのを感じた。


『一の型、二の型混合接続――神速一閃しんそくいっせん


 今、自分が持つ技を組み合わせたらこの檻を壊せるのではないかと、体の負荷を無視して技を繰り出す。


 普通の一の型より数倍の速さの居合切りに、水の檻は再生が追い付かず穴が開く。


その穴を通って、下に飛び降りる。


「な、なんですと!? バカなありえない。私の技は脱出不可能のはず……」


 泉の中から、狼狽した声が響く。


「もういい、お前殺す」


「ゼロ? どうしたのじゃ? 何で片言になっているのじゃ?」


 プラムが俺の話し方にツッコミを、入れてくる。


「苦、苦、苦。なら私の最大威力の技を――」


「第三の型、雷神招来」


 俺はラングルが言い終わる前に、技を発動させ泉に雷を落とす。


「何にーーー!! がががっがが」


 雷が見えたのか驚いた声を上げて、その声がすぐに悲鳴に変わる。


 泉が煙を上げて、蒸発していき大きな穴に変わった。


 その真ん中に黒焦げの死体転がっている。


 やはりラングルは泉の中から、攻撃をしていたようだ。


「プラム、すまない」


 俺はプラムに駆け寄って、座りこむプラムを抱く。


「な、ど、どうしたのじゃ? 何で泣いておる?」


 その言葉に自分が泣いてることに気が付いた。


「守れなくて、すまなかった。刀、失格だ」


「お主――愚かじゃな」


 プラムは普段より、優しい声でそう言う。


「え? どういうことだ?」


「お主がいなければ、ここまで来ることはできなかったのじゃ。それに髪が切られたくらい、伸ばせば問題なかろう?」


 俺の頭を撫でながら、そう諭してくれる。


「でも、美しい髪が……」


「何じゃ? 髪が短くなった妾には魅力はないかの?」


 プラムは立ち上がってそう言いながら、いたずらっ子のような笑みを向けてきた。


 夕日に照らされた顔がとても美しく、また短くなった髪形のせいか以前よりも幼く見える。改めて、どんな髪型でもプラムは凄い可愛いと思った。


「いや、好きだ。愛してる。結婚してくれ!」


 俺は片膝をついて、プラムの手を取ってそう叫ぶ。


「本当にお主はロリコンじゃな」


 プラムはそう言って、笑顔を向けてくれる。


「ああ、そうだな。俺はロリコンのゼロだ」


 俺も笑い返す。


「その肩書はやめておくのじゃな」


「どうしてだ?」


 訳が分からないので聞く。


「はぁ、そういうものは黙っておくものなのじゃ」


 ため息交じりに注意される。


「分かった。これからはゼロだけ名乗ろう」


「うむ、それでよい。取り敢えずどこかで小刀を手に入れるぞ! ゼロよ」


 プラムは歩き出してそう言う。


「どうかしたのか?」


「このバランスが悪い髪は、嫌なのじゃ。切るものを手に入れるのじゃ」


 左右で少しバランスが悪いのが気になっているのか、髪を触りながらプラムは弾んだ声を出す。


 プラムはすぐにローブのフードをかぶり直して、「レッツゴーじゃ」と声を出して進んでいく。


 次の目的はどうやら、小刀探しのようだ。 まあ、帝国に向かう途中ですぐに手に入るだろう。

俺はそう思いながら、プラムの後ろについて歩きだした。





何か後書きって嫌われるって知りました(笑)


皆さんはどうですか?


感想に書いてくれると嬉しいです(笑)


私は後書きが本編の作家先生を見ていますので、よく分かってませんが書きたいのです。


ここで作品を語るもよし最近の事を書くのもよしだと感じてます。


バンドリ最高。


さて、次回はまた日常パートになる予定です。


皆さんここまでお読みいただきありがとうございました。


次回もお願いしますです


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― 新着の感想 ―
[一言] 後書きは全然有り派です!設定とか書かれていたら隅々まで読みます!
2021/07/22 14:43 退会済み
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