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タマゴあたまの短編集

人をコントロールするのは実はとっても簡単

※たいあっぷにも掲載しています。現在イラストレーターさん募集中です!

https://tieupnovels.com/creator/user/Tamago_atama

 人の行動をコントロールする。

 難しいようで実は簡単なのである。

 大事なのは「相手にも利益があるような行動へ導く」ということである。


 たとえば、お昼ご飯を買ってきてもらうとする。

 ここで「お昼ご飯買ってきて」なんて言うと、ただの使いっ走りだ。誰も買ってこようなんて思わない。

 そこでこんな風にする。


「お、咲也。今から昼飯? 悪いけど俺の分も買って来てくれない? お釣りはやるからさ」


 そう言って千円札を咲也に渡す。動かなくて済むのだから出し惜しんではいけない。


「まじで? じゃあ、お前の昼飯は駄菓子一個な」


 咲也はいたずらっぽく笑う。


「おいおい。ある程度まともなものにしてくれよ」

「わかったわかった。じゃあ行ってくるよ」


 しばらくすると、レジ袋を持った咲也が戻ってくる。


「ありがと」

「レジ混んでいて大変だったんだからな」

「悪い悪い。お釣りあげたからいいだろ。そうだ。俺の分から一口やるよ」


 ここで予期せぬ報酬を追加する。「棚からぼたもち」ってやつだ。


「いいのか? 俺のほうこそ悪いな」

「良いんだよ。買ってきてもらったわけだし。ほら、どれがいい?」

 俺は自分の弁当を咲也に見せる。


「じゃあ、唐揚げもーらい」

「よりによって唐揚げかよ。まあいいけど」


 それから俺と咲也は一緒に昼食を食べる。昨日のドラマや最近やったゲームの話をしながら。

 『人の行動をコントロールする』なんて大げさに言ったけど、どちらかと言えば処世術だな。


 ――――――――


 俺は人の行動をコントロールできる。

 と言っても、「人を意のままに操る」みたいな大層なもんじゃない。


 俺は時計を見る。

 そろそろか。

 俺は財布を持って席を立つ。財布はわざと見えるように持つ。これがポイント。

 この後にちょっとやらなくちゃいけないことがあるが、それ以上のプラスを得ることができるはずだ。


「お、咲也。今から昼飯? 悪いけど俺の分も買って来てくれない? お釣りはやるからさ」


 ほら来た。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  こちらの小説投稿サイトでは、古いものから読み始めたのですが、「人をコントロールする〜」というお話を一番初めに読みました。主人公が咲也に利益を与える代わりに相手をコントロールしたのと同様に…
[良い点] これは面白いっ [気になる点] 昼食代千円かぁ。 恵まれてるな~ [一言] 主人公は将来どんな仕事するんでしょうね。
[良い点]  なるほどなー、と二回、読み返しました。こんな方法もあったのかと。あ、小説の書き方の事ですよ? [気になる点]  あえて、なのでしょうが……『咲也の相棒』の名前、固有名詞が出ていれば、もう…
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