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 SOSの文字はずっとコンピューターの画面の中に表示され続けていた。

「どうする?」フユが言う。

 壁の中にあるコンピューター。本来であれば絶対にその中身を覗いてはいけない、……開けてはならない、パンドラの箱。

「……少し、調べてみよう」ハルは言う。

 それは情報を集めることを仕事としている情報士としての性なのか、ハルは危険であるとわかっていても、そのコンピューターの内側を覗いて見ようという気持ちになった。

 そこにどんな地獄が待っていても、それは情報士として生きることを決めてから、すでに覚悟していることだった。

「フユ。サポートを頼む」ハルは言う。

「わかった。任せといてよ」フユはハルのパートナーらしく、笑顔で答える。

 ハルは情報士専用のタブレットを再びリュックから取り出して、コンピューター室の中のコンピューターとコードで自身のタブレットをつないだ。

 それからハルは作業を始める。

 ハルは高速でタブレットの画面の中に表示されているキーボードを叩き始める。表示された大量のプログラムが高速で画面の中を流れていく。

 ハルはプログラムの海の中をずっと、ずっと深い場所まで潜っていく。

「ハル。大丈夫?」フユは言う。

 でも、そんなフユの言葉は、もうハルの意識には届いていなかった。

 ハルは情報の海の中にある、コンピューターの画面の中に『SOS』の文字を表示させた存在を求めて『ダイブ』している。

 ……そして、ハルは数分の作業の先で、その存在をプログラムの中から見つけ出した。

 そこには、一つの小さなプログラムの塊である人工知能のような存在がいた。

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