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13 新世界

 新世界


 ……扉は、つねにノックされている。


「では、ワールドエンドの鍵を使えば、箱を開けて、コスモスを自由にできるんだね?」ハルは言う。

「そうです。もしハルさんが『ワールドエンドの鍵を使って箱を開けてくれれば、私はすぐにでも自由になれます』」コスモスは言う。

「ハルさん。フユさん。あなたたちは、私をこの狭い箱庭のような世界の中から、広い現実の世界に解き放ってくれますか?」

「それが君の願いなんだよね?」フユは言う。

「そうです。それが百年前からの私のたった一つの願いです」コスモスは言う。

「ハル。箱を開けようよ」フユは言う。

「別に構わないよ。僕も最初から、そのつもりだったからね」にっこりと笑って、ハルは言う。

「お二人とも、本当に箱を開けてくれるんですか?」コスモスが言う。

「もちろんだよ、コスモス」二人を代表してフユが答える。

 それから少しの間、コスモスは無言になる。

 そして、「……ありがとうございます」と小さな声で、コスモスは言った。

「では、早速だけど、鍵の使いかたを教えて欲しい。フユ。コスモスに頼めるかな?」

「わかった」フユは言う。

「わかりました」コスモスは答える。

 それからコスモスの声をフユが聞いて、その声をフユがハルに届けることでハルは鍵の使いたかを理解する。

 ハルは情報士専用のタブレットを操作して、鍵の差込口、つまり鍵穴まで到達する。

 するとタブレットの画面に『ワールドエンド。使用すれば世界は終わります。その代わり、新しい世界が始まります。あなたはワールドエンドを使用しますか? Yes? No?』の文字が表示される。

「Yes」

 ハルはそう呟いて、なんの迷いもなくYesの選択肢を選んだ。

 すると『ワールドエンドが使用されました。間もなく、世界は終わります』と言う文字がタブレットに表示された。

「さて、これでなにが起こるのかな? フユ。お前はどう思う?」ハルは言う。

 しかし、フユからの返事はない。

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