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1 世界を終わらせる合言葉は『鳥』だった。

 世界の終わり ワールドエンド


 プロローグ


 ……ありがとう。私をちゃんと見つけてくれて。

 

 世界は私たちが生まれる前にもう生まれてしまっている。卵は割れてしまったのだ。世界は一つの意思を持つ存在であり、唯一の生命体である。その生命体に対して、私たちが嘘、つまり幻想を抱くことはできない。 


 本編


 世界を終わらせる合言葉は『鳥』だった。


(たくさんの鳥たちが飛び去っていくイメージを見る。世界は見捨てられたのか。鳥たちは今から、どこに行こうとしているのか? そんなことをハルは思った) 


 壁


 ……そこにあったものは、巨大な壁だった。


 双子の情報士と通信士の兄弟、ハルとフユはその日、仕事の目的地である巨大な壁のある世界の果てまでやってきた。

 緑色の広大な平野の上に建てられたその黒い色をした禍々しい壁は、見るものの心を傷つけ、あるいはなにかの答えを問いかけたりもした。

 巨大な壁には一つの出入り口用の門があった。

 その門は壁の反対側にもあるらしい。

 巨大な(本当に大きくて灰色の空が、よく見えなかった)壁の内側に入るための、専用のやはり禍々しい造形をした門だった。


 兄弟がその門の前で乗ってきたジープを止めると、門を守っている衛兵が二人、兄弟のところまでやってきた。

「ここから先は通行できません」

 衛兵は言った。

 ハルは自分の情報士としてのライセンスと、壁のこちら側の政府から受けた依頼の書類を衛兵に見せた。

 それらの情報を確認すると、衛兵は「失礼しました」と言ってから、兄弟に車を止める場所を指示して、兄弟がそこにジープを止めて車を降りると、「ではこちらです。私についてきてください」と言って、もう一人の衛兵を残して、兄弟と一緒に門の前まで移動した。

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