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60.4人体制だと戦闘面で万全ではあるが、思わぬハプニングもあるっぽい!

すいません、深夜テンションってやつです。


中身については……主人公への批判、大歓迎です!!


もげろ、ボッチ、新海、などなど!!


あかん……自分でも何言ってるか分からなくなってきてる……。


ではどうぞ!!



 クソっ、ゴーレムめ!

 

 お前が1体で出てくるから、俺が無役になるんだこの野郎っ!

 戦闘を大幅に省略できることには目を向けず、俺は清々しいまでの責任転嫁を図った。



「――ラティア」



「はい! ≪闇よ、刃となりて、揺れ刻め――≫」



 ラティアが詠唱を始めたことを確認し、俺は行動に移る。

 そっとラティアの背後に回り込み、しゃがみ込む。

 

 そしてその肩幅程に開かれた足の間に頭を通した。



「ッ!――≪…………≫」



 一瞬だけラティアの肩がピクッと反応するも、詠唱を継続する。

 ……うっわ、スッゴイ悪いことしてる気分。


 でも役割は既に決めてしまったし、仕方ない。

 

 しっかりと支えるために、ラティアの太腿部分に手を添える。

 丁度ニットのソックスと、素肌の境目の部分に触れたようで、これまたラティアがビクッと反射的に体を動かした。

 

 構わず俺は一気に立ち上がる。



「っし!! 行くぞ、二人とも――」


 

 全てを言い終わる前に、二人は前を向き、ラティアの詠唱の進行を待つ姿勢に入った。

 だが俺は違う意味で気が気じゃない。


 立ち上がった瞬間、自分の状況に気づいたのだ。



 

 ――ラティア、今日スカートやん!?




 しかもこんな時に限ってかなり丈の短いミニの!

 俺はそんなラティアの股間に頭を突っ込んでいるのである。


 クッソ、無職で役割がないと思ったら、変態へとジョブチェンジですか!?

 うっせぇえバカ野郎!!




 顔の横から微かに鼻へと漂ってくる甘酸っぱい香りや、人肌の温もり。

 そして、なんといっても後頭部に感じる薄い絹布の感触。


 

 これはアカン、下手すると意識持ってかれる……。




 それら全てを何とか努めて気にしないようにし、タイミングを計る。


 ラティアの詠唱の文言全てを記憶しているわけではない。

 しかし、もう何度も近くで耳にしてきた。


 どれくらいで魔法が発動されるかくらいは感覚的にわかる。




 まだ……まだ…………今だ!!





「っし!!」



 ラティアを振り落としてしまわないよう気を付けながら、俺は走り出す。 

 慣性で一瞬だけラティアの体が後ろに反りかけるように感じたが、速度を微調節して対応。

 

 詠唱への影響を最小限に抑えながら、どんどんゴーレムへと近づいていった。

 そして、もう直ぐで奴の腕の一振りが届く距離に入る、その時――




「gi,gibi? bibi,bibibibi――」 




 ゴーレムが俺とラティアを認識――する一瞬前に。




「――【シャドウ・ペンデュラム】!!」




 魔法が発動する

 そして間髪入れずにリヴィルとルオが挟撃に動いていた。




「――んっ!!」


“導力”を右腕に集中させたリヴィルが、起動し始めたゴーレムの左腕付け根を捉える。


 触れた瞬間に起きたのは、大砲でも撃ち込まれたような大きな音と衝撃。

 


「gib,gibbbbb――」



 ゴーレムの体が傾く。

 そこに――



「――ダウンはちと、早くないか、のぅ!」



 ルオが再現している、カリュルと名乗った竜人の少女が待ち構えていた。

 彼女は少し丈を余らせた服を動き辛そうにしながらも、小さく跳ねる。

 

 そして両手指を絡め併せ、それをハンマーのようにして叩き込んだ。

 攻撃した手の面積の小ささに比べて、吹き飛んだレンガ部分の凹みがあまりにも大きい。




 リヴィルの一撃によって意識を揺らされたのを、無理矢理リング上に再び立たされたような状態だった。

 倒れそうになったゴーレムを下から殴り立たせたのかよ、なんてパワーだ……。


 ――そしてそこに仕上げとして、発動した魔法が襲い掛かる。




「gibbbbbb――」



 ゴーレムに許されるのは、ただ立って殴り続けられるサンドバッグ役のみ。

 影響範囲に入っていたのはラティアの魔法も同じ。


 絶妙な位置から放たれた闇の鎌は、ゴーレムが体勢を立て直すどころか、何が起こっているかを認識することすら許さない。


 丁度リヴィルとルオがダメージを与えた左右の体の凹みを結ぶように、一揺れした。

 脆くなった部分を見逃さない、さながら死神の鎌として、ゴーレムの体を真っ二つに。



 

「よしっ、これで――」


 

 勝った――そう思ったのだが。



「ご主人様! あれをっ!」


 俺の頭に上半身全てをくっつける勢いで前屈みになるラティアが、何かを指さして叫んだ。 

 色んな感触が煩悩を掻き立てようとしたが、事態が事態だったので、俺も意識を集中させる。


 すると、切断された前方の体が、断層が崩れ落ちるように、地面へとずれ落ちていた。

 そして視界に入って来たのは、赤く光るクリスタルのような結晶。

 

 未だ落ちずに残っている半分の切断面に埋め込まれている状態だった。



「うっわっ! あからさま! 何かコアっぽいもん見えてる!!」



 丁度、闇の鎌が生み出す死の一撃から逃れる場所にあったのだ。

 そして今、その魔法は既に発動済みで、ラティアの制御から離れている。


 更にリヴィルとルオからは丁度死角になる位置。

 真ん前から真っすぐ見ることができる俺とラティアだからこそ視認できたものだった。




「物凄く重要そうです!! どうしましょうっ、あれ、破壊しないと復活とかするんでしょうか!?」


「分からん! でも潰すに越したことはないなっ、クソッ――」


 真上から降ってくるラティアの懸念の声。

 それが何か現実になりそうな嫌な予感もあって、俺は迷わず自分のスキルを発動する。




「赤いからって火属性は無効とか言うなよ!? ――食らえや、【業火】っ!!」 


 あの、ダンジョンを食ってしまったと平気で言ってのけた、恐ろしい幼女ダンジョンで交換したスキルだ。

    


 体内が一気に燃えるような熱を帯びる。

 全身が焼けてしまうのではないかとの錯覚すら覚える熱さ。

 

 それが一瞬で構えた右腕に全て移る。


 視界にはとぐろを巻く様に右腕で渦巻く火炎。

 そしてそれは地獄の炎だけでなく、瘴気・闇すらも共に連れて来たように、赤と黒が混在する渦を作っていた。



 あまりの高温の熱で腕がドロドロに溶けてしまう、そう思う瞬間に、俺は炎を赤い結晶目掛けて解き放った。



「行っけぇぇぇぇぇぇぇ!!」



 断続的に爆発音を響かせ、闇と炎の混ざり合った赤黒い業火。

 真っすぐそれは目的へと向かい、衝突と共に一際大きな音を上げた。




「gibbbb-----!?」




 今度こそ悲鳴みたいな声を出すゴーレム。


 業火は赤い結晶のみならず、そのままレンガをも飲み込む。

 赤い結晶は溶けるのではなく、パリンッと音を立てて割れた。


 その瞬間、ゴーレムを構成していた体は外側から砂礫へと変わっていく。

 そして業火を受けてドロッと溶けていた部分と合流し、ゴーレムは完全に消滅した。






「ふぅぅぅぅ――うわっと!?」


 しまった、攻撃後の反動と、倒したという安心で力が抜けた!!

 上にはまだラティアがいるのに――



「あわっ、あわわっ、ご主人様!? きゃっ――」



 バランスが崩れる。

 ラティアは体を前のめりにしてしまっていた。

 くっそっ、何とか地面と正面衝突だけは――


 

「グッ、痛っ――」



 背中から地面に崩れ、強打する。

 鈍い痛みが走るが、それだけで終わらなかった。


 何とかラティアと地面との間に自分の体を入れることには成功するが――



「大丈夫!? マスター、ラティア!?」


「おーい! ご主人、ラティアお姉ちゃん、しっかり!!」


 

 リヴィルとルオが慌てて駆けつけてくれたらしいことが、その声で分かった。


 ん?


 なぜその姿を視界に入れるのではなく、声で分かったのかって?


 それは――







 ――視界が、真っ黒い布に、覆われていたからだ。




「うぅぅぅ……ぁ、はい、私は何とか……ご主人様が庇ってくださって――ひゃッ!?」



 ――痛い痛い痛いっ!?


 ラティア、ダメっ!!

 そこに手を置かないで!!


 そこは防具が意味を成さないところだから!!


 物理的な刺激はメっなの!!

  


「フガッ、ふぁひぃあ、ど、どふぃて――」

 

「――あっ、んぁ!! ご、ご主人様、くすぐっ、たいです……」



 色っぽい声もやめてくれ!!

 ちょっ、スキルのせいか、体、今、物凄い疲労感で、動かせないの!!


 なのに、顔一杯に黒いレースの生地が広がってて!!

 しかもちょっと、何か、その湿ってきて――



 それに息もできなくて。

 一方的に爽やかな甘酸っぱい香りと、そして洗剤の良い匂いが押し寄せてくる。


 

 あっ、苦し――でも、何か視界が真っ白になって来た……。



 あはは……死因は窒息死か……悪くない人生、だった――

 





「――とりあえず、このままだとマスター死んじゃうから、ルオ」


「う、うん……そ、その、ラティアお姉ちゃん、はい――」


「はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ……起こして、くれて、あり、がとう……ございます……」

   

「…………」



 来世は何だろうな……。

 転生特典とかあるのだろうか。

 

 でも特に善行積んでないし、もしかしたら異世界いけないかも。


 …………。


「まさかラティアがマスターの股に顔を突っ込んじゃうなんて……こういうハプニングってあるもんだね」


「ひゃぁぁぁ……凄い、エッチなもの見ちゃった……まだ顔が熱くてドキドキしてるや――って、ご主人!? うわっ、ご主人息してない! 物凄く苦しそうなのに、でも安らかな寝顔してる!?」


「えっ!? 嘘ッ――マスター!? 大丈夫っ!? しっかり!! クッ、ラティア、搾り取る前にお尻だけでマスターを……サキュバス、恐るべしだね……」


「も、もう!! 二人とも!! ご主人様が大変なんですよ!? い、息してなかったら人工呼吸なる方法も試さないと――」



 …………ヤベぇ。

 異世界転生を知らせる爺さんも女神も全然現れねえぞ。

 

 ってか普通に生きてるわ。

 しかも何か“誰が人工呼吸をするか”なる話題が聞こえてくんだけど。



 ……うん、早く起きよう。





 その後、起きてからまた一騒ぎあったものの。

 意識自体はしっかりしていたので、ダンジョン攻略を知らせる機械音の後、DPを交換して帰ることになったのだった。



□◆□◆ □◆□◆ □◆□◆


 

「1300DPか……あんまり稼げなくなってるな」 

 


 家に戻って夕食を食べたり、風呂に入り一息ついた後。

 俺は未だ怠さの抜けない体をソファーに預けながら、先ほどの戦果を確認していた。



「5万を切ったんだっけ……それでも一応余裕はあるんだよね?」



 俺の次に風呂に入ったリヴィルがソファーから顔を覗かせる。


 

「まあな、ただ5万ってのは一応貯金みたいな認識で……」


 リヴィルの質問に答えながら、状況を確認する。

 

 大体今のDPは49000くらい。

 最近減って来たこともあり、ダンジョン攻略時にはDP交換を優先的に選択してきた。


 だが、やはり俺たちや、逆井達の攻略数も合わせると10を超えたので、特典的なDPはあまり得られなくなっている。


 今後も少女を購入したり、あるいはダンジョンとスキルなどを交換したりすることもあるだろう。

 そのような場合のことを考えると、やはりDPはこれからも溜めていきたい。


 

 それに“5万”は織部から渡された分という意識が強い。


 だから下回ることはあっても何とかその量は少なく。

 そしてできるだけ早く5万以上へ復帰させようと思ってしまうのだ。



「うーん……今攻略してるダンジョンって、総合的に見ると大したことないダンジョンばかりだから。今後強いのが増えれば、それに伴って得られるDPも増えると思うよ?」


「ふむ……なるほど」


 あまり強くなりすぎると攻略も難しくなるし、どんどん外に出てくる可能性も上がる。

 だからそれはそれで困るんだけど。



 まあ今のところ攻略自体には余裕があるし、余程のことでもない限りは大丈夫か。





「――ふぁぁぁぁ! 凄くサッパリした!! お風呂に毎日入れるって、やっぱり凄いね!」


「ああっ、ダメですよルオ! 髪をきちんと拭かないと……あっ、っ――」


「……二人とも、上がったか」


「……は、はい」



 うぅぅぅむ、気まずい。

 あの後互いに謝りあったのだが、まあ直ぐに元通りは無理か。



「ルオ、どうだ、色々と。まだ来たばっかりだけど――」


「どう? んーっと……凄く楽しいよ? ご主人やラティアお姉ちゃん、リヴィルお姉ちゃんもいるし!!」 


 混じり気のない笑顔でそう答えたルオ。



「そうか、そりゃよかった。ダンジョン攻略も問題なさそうだったもんな」



 まだ一戦、しかも一撃しか見ていないわけだが、戦闘に関してはそこまで問題なさそうだ。



「えへへ! ストックは大分減っちゃって、えーっと……全部で“4つ”しかないけど。それで大体は対処できると思うよ?」 


「4つということは……今のと、シルレ様のものと、先ほどのダンジョンで見たもの、後もう一つですか」 


 指折り数えるラティアに、ルオは笑顔で答える。

 


「うん!」


「一緒に前衛で戦った感じ、呼吸も合いそうだし、能力的にも十分だと思うよ?」



 リヴィルがそういうんだ、大丈夫なんだろう。



「まあ明日以降はスマンが、直ぐにダンジョン攻略に駆り出すことはないと思う――」



 俺はそう言ってフラフラと手を上げて、疲れているということを示す。



「悪いな、あのスキル、結構体力を使うみたいだ。右腕の疲労感も半端ない」



 明日ノートをとれるか心配なくらいだった。



「……大丈夫なの?」


「ああ。明日さえ乗り切れば休日だ」



 心配してくれるリヴィルを安心させるようにそう言ってから、ふと気づく。



「そうだ……ルオ、悪いが明後日は空けておいてくれ」


「え? そりゃぁぁ……大丈夫だけど、ボク、来たばっかりで用事とかないし」


 まあそりゃそうか。


「えっと……明後日“ライブ”があるんだ」


「らいぶ……??」


 頭に疑問符を多数浮かべて、ルオは首を左右に揺らしていた。


 流石に分からんよな……。


「んーっと、俺も経験ないから詳しくは分からんが……」



 どんなものなのか、とりあえず漠然とでも特徴を伝える。



「皆で楽しく、盛り上がって、気分が高まって、えーっと、それと終わった後スッキリする、のかな?」


 ウェーイとか言いながら観客皆がハイになって、で、終わった後スッキリした顔して帰ってく。

 そんなイメージがあった。


 しかし、俺の説明が悪かったのか――


 

「――えっ、ご主人、それって……さっきのラティアお姉ちゃんとの、あの、エッチな感じのあれの、続きを、4人でやるって、こと?」


 ルオはそれを口にすることそのものが物凄く恥ずかしいといったように、顔が真っ赤になる。


「え゛……」 


 とんでもない誤解を与えてしまっていた。

 


「ごっ、ご主人様!? いきなりハーレムプレイですか!? いえ、私は別にそれでもいいのですが――」


「……その、私、初めてだから、さ。色々分かんなくて……レースクイーンの衣装でした方が、いい?」


「いやラティアとリヴィルまで何言ってんの!?」


 二人はライブの意味わかってるよね!?

 あれっ、“ライブ”に二つ以上意味があるとでも思っちゃった!?


 

 ……そうだ、大元のルオの認識を質せばいいんだ!!



 ルオ―― 




「――ご主人……あの、ボク、その、ずっと山奥にいて、男の子のこと、知らないから……優しく、教えてね?」




 ――は、瞳を潤ませて上目遣いに、そうお願いしてきてました。



 ……その“教えてね”は“ライブ”の意味を教えるということだと信じたかったねー、うん。

 




 

 俺はそっと2階からノートパソコンを持ってきて、動画投稿サイトへと繋げ。

 そして公式アカウントにてライブ映像をアップしていたアーティストの曲を再生して見せた。



 

 その後、落ち着いた3人の顔がそれぞれボッと真っ赤に染まって、すんごい気まずい空気になったのは言うまでもない。

すいません、ちょっとふわっふわしてきたので大人しく寝ます!!


次回、おそらくライブの話を書いて2章終わると思います、多分!!


お休みなさい!!


早い人はおはようございます!!

(自分でも本当に何を言ってるのか分からなくなってきてる!)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 深夜テンションのラッキースケベは大胆ですねぇ。ごちです。
[一言] ライブ行ったことないけど終わった後スッキリはしないと思う 主人公の言い回しがこの頃狙ってやってるとしか思えないかな 鈍感系でもちょっとってなってきた
[気になる点] 4人でのライブ…ゴクリッ [一言] そういえば遠距離攻撃できるようになってましたね! よし、炎をまとって敵に突撃しよう!(ニッコリ
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