表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

265/416

259.突き刺さるゥゥゥ!

お待たせしました。


予定が終わりましたので、更新を再開します。


ではどうぞ。


 □支配ダンジョン:ダンジョン名“ハルト・ニイミ 管理下ダンジョン No.23” 



  ダンジョンLv:27  階数:11 貯蓄DP:1200 




「おぉぉ……一気にレベルが6も上がったか」



 階数だけで言ったら5階層も増えたし、二桁にも乗った。

 最初なんて3階層だったのに……。



 3つも他のダンジョンを食べたらこんなにも成長するんだな。



「……何か他に変化があるんでしょうか?」


「……今の所は特になさそう、だけど?」

 


 残り2つを食べさせ終え、ダンジョンのステータス変化を確認していると、後ろから二人が覗き込んでくる。


 ラティアもリヴィルも、3つのダンジョン攻略を一気にハシゴした疲れなど一切見せない。


 流石の志木や逆井も少し疲れ気味なのに、やっぱ凄いな……。



「うげぇぇ……凄いな、お姉さん達……ウチとは全然体の作りが違う……お兄さん、いつもそんなお姉さん達を相手にしてるんでしょ? どっちも凄すぎ」



 ……これこれ、空木さん。

 そういう、違う意味にも取れそうな言い方は宜しくありませんことよ。 



「“相手にしてる”? ――ばっ、おまっ、違っ! ミオ!! あたしら、別に、その、隊長さんとイチャコラしてるとか、全然違ぇからな!!」

 


 ……ほらぁ、ムッツンデレのレイネが反応するから。




「――っと、変化、あるっぽいぞ」



 透明な紙のような画面を見ながらも、話の流れを引き戻すようにそう告げる。



 今までは2つのダンジョンを経験値化した結果を映していたが、それが更に変化した。

 同時に無機質な声が告げる。



  

〈管理下ダンジョン No.23 が、ダンジョン総合ランクF→E になりました。ランクアップ特典を選択ください〉




 A:階層+5、モンスター創造DP5%減

 B:“モンスター守護者化”機能追加



□◆□◆ □◆□◆ □◆□◆

 


「これか!!」



 思わず声が出る。

 選択肢を見て、未来のロトワが言っていたことがこのことなのかと確信する。



「ご主人、出たの!?」


「ああ――」


 

 何か新しいことが出てくる可能性に、ルオは無邪気に笑顔を向けてくる。

 その言葉に答えながら、空木に抱かれて休んでいるロトワをチラッと見た。



「ミオ殿……んっ、こそば、ゆいですよ……尻尾のぁぅ、おさわりっ、は、おやめください……」


「フフッ、ほれほれ、お兄さんは今取り込み中だぞ~! 助けは来ぬ! 良い声で鳴くがいい! それそれぇぇ~!!」


「あっ、あぁ、んんんっ!!」

   


 …………何やってんだアイツら。


 いや違くて。



 

 ロトワの見た目、つまり耳や尻尾を何とかできないかってことで今回、未来のロトワの助言も受けてここまで来た。



 その趣旨からすると、“A”の選択肢は違うだろう。



「……と、思うんだが」



 一応念のため、自分の考えを説明しておく。

 だが特に異論が出ることもなく。



「私もそう思う。多分、この“守護者”が、今回の解決の鍵になるんだろうね」



 リヴィルの言葉を受け、ラティアも頷き同意する。



「ですね。今まで戦ってきたダンジョンのボスたちも、大なり小なり他のモンスターとは異なる、特殊な力を持っていました。今回もそういうことなんでしょう」



 やはりそう言うことでいいらしい。

 一通り意見を聞いてから、俺は“B”の選択肢に決める。




 また最終確認の音声が聞こえたので、迷わず頷く。



 そして……。



「おお……出来てる出来てる!!」





 ①モンスター創造Lv.2 

 ②モンスター守護者化 →new!

 ③アイテム等創造Lv.2 

 ④支配下ダンジョン管理




“Ⅰダンジョン機能展開”で見てみると、きちんと反映されていた。



「で、これを使うんだろうけど、っと……」



 ②を選択すると――




〈当該ダンジョン支配下のモンスターを守護者化します。対象を選択してください〉



 その音声(ガイド)とともに、対象候補が浮かび上がる。

 ざっと10体。


 全部が全部、同種族名、つまりあの狐のモンスター達なので、さっぱり違いが分からなかった。


 

 ……どれでもいいか。



「“4体”……選ぶようですね」



 ラティアの言う通り、1体を選択しても残り3体を選ぶことを求められる。


 二つの大きな枠が有り、その枠が更に二分割してあった。 



「何で4体なんだろ……4体とも守護者になるってことかな?」


「あのミミックの例があるからな……それもあるんじゃないか?」    


 1体だけども、圧倒的な強さを持つボスもいれば。

 中程度の強さだが、数が多くて全体として厄介なボスもいる。


 リヴィルの疑問を一緒に考察しながらも、適当に4体を選定。


 これまた同じような最終確認のアナウンスがある。



「うげっ……やっぱDPいんのか」



 しめて1000ポイント。

 決して安いわけじゃないが、まあ仕方ない。


 これで75000を切ったが……これもロトワのため、必要経費だ。


 OKを出すと、直ぐに変化が起こった。




「――うわっ!? にっ、新海っ、狐ちゃん達、光り出してる!!」


「っっ!! こっちもよ! 凄い輝き……」 



 休んでいた逆井や志木から報告が上がってくる。

 声が届く前からすでに、視界を埋め尽くさんばかりの輝きがダンジョン内に広がっていた。



 志木達の近くにいた狐のモンスターの内、4体が輝き始めたのだ。

 そして2体が一対となり、2つの大きな光に変化し、それがやがて収束していく。



 そこにいたのは、2体の狐のモンスターだった。


 


「……色が変わった?」

  

「……大きさはそこまででもないけど、尻尾、増えてないかしら?」




 一番近くにいた逆井と志木が真っ先に傍によって行く。

 


 金色の狐、銀色の狐。

 そしてそれぞれ、1つだった尻尾が、2つに増えていたのだ。




「おぉぉ! 合体ですよ合体!! お兄さん、凄いですね! パワーアップ感というか、強者誕生感が半端ないですよ!!」



 さっきまでの疲れも吹き飛んだみたいに、珍しくテンション高めで盛り上がる空木。


 まあ確かに、ちょっと胸熱……かも。


 

 つまり4体の守護者候補の狐達がそれぞれ2体で1体として、守護者に生まれ変わったということか。    


 それが金と銀で2体と。


 確かに、守護者化していない残った6体とは異質の、強者特有の雰囲気を醸し出していた。




「でもご主人……これ、ロトワとどう関係するんだろうね……――ああいや、勿論狐さんだからロトワとは最初から関係はあるんだろうけど」



 ルオの言いたいことは良く分かる。

 この狐達が、ロトワの見た目の問題を何とかしてくれるのだろうか……。



「わぁぁぁ!! コンコン!! コンコンがコンコンだ!!」



 興奮しているのか、ロトワはコンコンを連呼しながらも、2体の狐の下に駆けていく。



 そしてギュッと抱きしめた。

 狐達もロトワに抱きしめられるままにしている。


 

「あはは! モフモフ、フワフワしてる~! ロトワもモフモフですけど、コンコン達もなかなかのモフ度だ~!!」


 

 謎の尺度が出てきた……。

 モフ度ってなんだ。

 ミスタードーナ〇のバッタもん?

 


「……はぁぁ。――その、さ……」



 そんなロトワや狐達の下に近寄りつつ、主に2体の狐達へと話しかける。


 ロトワを舐めるのに夢中で、ロトワも顔中舐められてくすぐったそうにしていて……。



「んぁ、やっ、ペロペロ、ダメっ、です、お館、様、が、見てるですから……んんっ、あっ、お館様、見ちゃダメ、です……」



 ……ああいや、うん、ちょっと危ない光景になりそうだから、一回止めようか。




「ロトワの耳とか尻尾。このままでも十分可愛いんだけど、着脱ってわけじゃなくて、必要に応じて見えたり見えなかったりしてあげたいんだけど……出来ないかな?」



 2体の狐が舌を動かすのをやめ、こちらをじーっと見つめてくる。

 ……何だよ、こっちくんな!


 赤星やリヴィルと一緒に過ごした修学旅行の日を思い出し、思わず後ずさる。


 それを見て、狐達の動きも止まった。


 ……おい、別に嫌ってるとかじゃないって、ちょっとしょんぼりすんなよ。



 ほらっ、今はロトワを何とかしないと、な?



「はぁ、はぁ……ぁぁ、お館様、ロトワ、おかしくなっちゃってない、ですか?」


 

 ……うん、ちょっと顔が(とろ)けちゃってる以外は大丈夫かな。 


 呼吸を整え、表情も次第に落ち着いていく。 

 ……ふぅぅ、良かった。


 ……ギロりっ。

  


「キュッ、キュゥゥ……!」



 金色の狐が反省するかのように低い声を上げて鳴く。

 それに呼応するように、銀色の方も追随(ついずい)する。



 2匹は急にグルグルと円を描くようにロトワの周りを駆けだす。

 次第に、ロトワの周りが輝き始める。


 ロトワは光の円に囲まれた。



「キュゥゥゥゥゥ!!」


「キュゥキュゥ!!」



 仕上げだと言わんばかりに2匹は宙へと跳んだ。

 クルッと一回転すると、ボンッと白い煙を上げる。


 ロトワを覆い隠すようにその煙は広がり、狐達共々見えなくなった。




「……未来のロトワが見せたのに似てるな……」



 既視感のある、魔法陣に似た光の円。

 この後、煙が消えると、そこから現れたロトワは――



「……? コンコン、何で頭に乗ってるです? お腹にも巻き付いて……くすぐったいですよ……」



「お、おぉぉ!! ロトワちゃん、深窓の御令嬢だ!!」

  

「……耳も尻尾も、無い、わね」



 逆井や志木が驚いていることからも分かるように。

 煙から出てきたロトワには、耳や尻尾が無かったのだ。



「ふぅぅ……一応これで成功ってことだよね?」


「ですね……」


 

 俺もホッと一息つく。

 これで、これからロトワにも普通に地球で、外の世界を見せてあげられる。



「と言っても不思議だよな……俺の目には普通にロトワの耳も尻尾も見えないが……」



 精霊の姿は、特殊な称号から得たジョブで見えているのに。

 未来のロトワや狐達が使ったトリックでは、見えるはずのものが見えない。


 そう言う趣旨でロトワの姿を見ていると――



「え? あの、ですから! ロトワ、耳も尻尾もちゃんとあるです!! お館様、どうかお確かめください!!」



 何故か焦った風なロトワに手を取られ、その右手はそのままお尻の方へ――



 フワモフッとした感触が手に触れる。

 フニッ、ではなくだ。



「どうですか! お館様、ロトワ、ちゃんと尻尾、あるですよ! さぁどんどんモフモフっと確かめてくださいませ!」


「いやうん分かったから! お尻触ってるはずなのに尻尾の感触があるってちゃんと理解しましたから!!」



 だから手を放して!!

 じゃないと客観的には10歳の少女のお尻を撫でまくってる変態にしか見えてないから!!


 

「じぃぃ……」


「……そう、貴方は積極的なボディータッチがある方が好きなのね」



 ぎゃぁぁぁあ!! 

 

 逆井と志木からのジト目が突き刺さるゥゥゥ!!



「お館様、モフモフ、堪能いただけましたか? あること、ご理解いただけましたか?」


 

 モフモフよりも視線が、グサグサ来る視線がぁぁぁぁ!!



 こうして社会的名誉と引き換えに、ロトワの今後の明るい未来を手に入れることが出来たのだった。



 ……ぐすん。 

  

お盆の真っただ中にやることじゃないとは思いつつも、一先ず予定を何とか終え。

ようやく再開です。


体調も万全というわけではありませんが、この1週間、多忙に多忙を極めましたからね。

その分しばらくはゆっくりできると思います。


ですので、明日以降に多分ドンドン感想の返しも行っていく予定です。

お待たせしました、3日以内には何とか最新のまで追いつきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 違う意味というか正しくそう言う意味で 発言していると思われる空木どん笑 すなわち!絶◯ ◯倫チェリーニイミさん ラティア様がほくそ笑む 織部卿がマテをできない状態に カオスだ。。。
[良い点] おかえりなさーい 毎日更新チェックして楽しみに待ってました。 [気になる点] かおりんが負けじと今後攻勢に出ないかなぁ。そっと、頑張ってボディータッチしようとするかおりん。・・・ぐはっ […
[一言] 真相の令嬢…… キャラがキャラだけに、誤字か正しいのか、分かり辛いなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ