プロローグ
ダンジョンものは読むのは好きだけど書くのは自分には無理だと敬遠してました。
設定もあまり思い浮かばないですし。
ただ好き嫌い言ってないで書いてみればいいんじゃないと、フッと思い、書くことにしました。
お手柔らかにお願いします。
現在、『ダンジョン』と呼称される場所・空間が出現して、6か月が経過した。
最初に確認されたのは、日本の東京都だが、直ぐに他の道府県でも同様の報告が上がる。
そしてそれは世界各国へと広がった。
出現当初こそ困惑・衝撃を持って取り上げられた。
だが、調査が進むにつれ、ダンジョン内には資源があることが判明。
日本のように他国からの資源輸入に頼っている国は勿論。
他国でも自国を更に潤す可能性の出現に、概ね好意的に受け入れられた……当初は。
流れが変わったのは出現より凡そ2か月。
調査を進めて、いよいよ攻略に乗り出した。
各国が競い合うように最初の攻略国になろうと必死になった。
だが、攻略できないどころか、ある国に至っては向かった部隊に甚大な被害が出た。
軍事力を誇る国でさえ攻略できたという知らせは聞かない。
何かおかしいぞ、とちらほら囁かれ始める。
出現より4か月目。
ある大国と、その国に迎合的なある国――二か国が、揃って攻略したということを発表。
世界に衝撃が走った。
ダンジョンに関するイニシアティブを握られたと焦る他国。
その周りの反応を見て自国の優位を意地悪くひけらかす二国。
だが……。
『――これが、我が国がダンジョンを攻略した証拠だ。見事にモンスターを手なずけているだろう』
そうした趣旨の報道を二か国が世界へと公開した。
しかし、そこでは予想外にモンスターが周りにいた人を次々と襲いだした。
慌てて取り繕う二国の報道官。
ここに至って、ようやくことの次第が世界にもわかりだした。
攻略などしていない。
嘘だったのだ。
そして、モンスターは単にダンジョンからあふれ出てしまっただけ。
皮肉にも、その世界同時放映が、世界各国にダンジョンをこのまま放置することの危険性を知らしめた。
そして、出現から6か月目――
ようやく日本も解決に向け本腰を入れ始めた。
こういうファンタジーな要素は、案外国などが自衛隊などを率いて対策をするよりも。
頭が凝り固まっておらず、ゲームなどにも親しみを持つ青少年たちの方が上手いんじゃないか。
勿論全てを丸投げするわけではないが、彼らの力を借りてみるのも悪くない。
そういう声は前々から出ていたが、ここに至ってようやく真剣に考えだされた。
そして、試験的にダンジョン探索士という資格ができる。
今まで調査した情報を講習にて教える。
そしていくつかの訓練を経て、実際にダンジョンに潜ることになる。
有資格者は、国からの全面的な援助を受けられる。
資格対象年齢は13歳~40歳。
応募書類には学業成績、勤務態度、得意なことなど様々な記入事項がある。
それらの第1期を募集。
2期生以降はダンジョン攻略度に応じて試験実施を検討。
1000人の公募に対して100倍以上の凡そ10万人が応募。
そして――
――今日、その合否通知が発送される。
合格者には、合格通知や資格証明書が合わせて送られた。
さあ、物語の主人公は君だ!!
君の、ポストにも、きっと……
「――あ、落ちた」