年度別『出版社ごとの出版数』の推移②
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―― 新規参入ラッシュの収束、市場は安定化 2015年 ――
2015年になると出版社の新規参入ラッシュは収束化し、より安定した時代となってきます。
出版数上位勢を見ると、首位にアルファポリスがいること以外は2019年現在のなろう作品書籍化市場とほぼ顔ぶれは変わらず、現在本気で参入している出版社はこの頃にはもうほぼ揃っていたと言えるのではないかと思います。
―― なろう規約改定 2016年 ――
第一話で触れたとおり、2016年9月からなろう規約が改定され『ダイジェスト版の掲載が禁止』となりました。
この影響を大きく受けることとなったと考えられるのが、なろう書籍化市場において初期の時期から参入し、出版数も多かった『アルファポリス』です。
アルファポリスから出版されるなろう作品の多くは出版後にダイジェスト版化され『続きは書籍で』という戦略が取られていましたが、なろう運営はそれを良しとせず結果的に決別という形になった様です。
―― なろう作品書籍化市場の成熟 2017年 ――
出版作品紹介件数としてはピークを記録する年となった2017年。
これまで各ブランドから出版されていたKADOKAWA系列の出版は一つにまとめられ、全て『KADOKAWA』として出版されるようになり、この年から首位は『KADOKAWA』となっています。
―― なろう作品書籍化市場の安定化 2018年 ――
2018年になると更に市場は安定化し、出版件数上位陣の構成もそれほど変化しないよう様になっています。
―― そして現在 2019年(8月時点のデータ) ――
2019年現在、なろう作品書籍化市場は合計40社ほどの出版社が参入している状態となっているようです。
<< まとめ >>
年度別に出版社ごとの出版数の推移を見ていきました。
近年の新規参入の減少と上位陣の固定化を見る限り、なろう作品書籍化市場の急激な成長期は終わり、現在は安定期に差し掛かっている様です。
<< 次回 >>
年度別『レーベル名』ごとの推移
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なお、Xにおける書籍化については
【禁断のなろうR-18分析】数字から見る「ノクターンノベルズ」「ムーンライトノベルズ」「ミッドナイトノベルズ」の現状と実態! - 第十八話 禁断の『X作品書籍化』の現状① https://ncode.syosetu.com/n2919fm/18/
をご覧ください