なろう書籍化『作者人数』と『出版巻数割合』
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引き続き『書報―出版作品紹介』ページに掲載されている『出版作品紹介記事』のデータを元に、なろう作品書籍化の実態を検証していきたいと思います。
今回は『書籍化作者』に焦点を当てて検証していきます。
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<< 書籍化作者人数 >>
まず書籍化『作者人数』について出していきたいと思います。
□ 方法
出版作品紹介記事に記載されている『作者ID(なろうアカウントID)』を集計。
なお、作者IDの記載がない出版作品紹介記事については代わりに『著者名』で集計。
□ 結果
作者IDの記載ありの作者 1073
(うち退会済み作者) (44)
作者IDの記載が無い作者 19
合計 1092
□ 考察
2019年8月8日時点で、合計「1092人」のなろう書籍化作者が存在することが分かりました。
なおこの数字には出版紹介申請を行っていないなろう書籍化作者は含まれていませんので、厳密に言うと
『なろう書籍化作者は現在少なくとも1092人は存在する』
という風になります。
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『なろう書籍化作者1000人時代』は既に到来している様です。
この数字を多いと見るのか、あるいはまだ少ないと見るのか。
少なくとも、多くの作者が『小説家になろう』という場所でチャンスをゲットし、実際にプロ作家デビューを果たしているというのが実態の様です。
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<< 出版巻数の割合 >>
次に『なろう書籍化作者における「出版巻数別」の割合』について見ていきたいと思います。
□ 結果
※なおこの集計には退会済み作者IDも含めています
□ 考察
出版巻数別の割合で見ると「1出版」の作者が最も多く「435人(40.5%)」、次に多い「2出版」の作者は「226人(21.1%)」であるという事が分かりました。
この結果からは、初出版という高いハードルを越えた先にも、更にもう一段高いハードルが存在しているという実態がうかがえます。
近年のなろう作品書籍化数の増加と合わせて考えてみると、プロ作家デビューのハードル自体はおそらく下がっているものの、初出版後に継続して出版がしやすい状況になっているかどうか言えば、おそらくそうではないというのが実態の様です。
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<< 今回のまとめ! >>
・なろう書籍化作者は現在少なくとも1092人は存在する
・出版巻数別の割合で見ると最も多いのは「1出版」の「435人(40.5%)」
・おそらく、プロ作家デビューのチャンス自体は広がっているが、継続的な出版を実現している作者となると、より絞り込まれる状況となっているのが現状と言えそう
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<< 次回 >>
年度別『出版社ごとの出版数』の推移
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<< おまけ >>
出版数が多い作者トップ50
※なおこの集計には小説家なろうに掲載されていない作品、たとえば書籍版『オーバーロード』の出版巻数などは含まれていないことにご注意ください。
本作品は一応連載作品です―
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