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なろう書籍化作品『出版巻数』の推移


『書籍化』


それは全アマチュア作家の夢っ!


かつて、プロ作家デビューへの道のりとしては『コントテストの受賞』や『出版社への持ち込み』といったものが主流とされていましたが、いずれも狭き門であり、実際にプロ作家デビューできる人はごくごく限られていました。


しかし近年では書籍化フローも多様化し、『小説家になろう』への作品投稿を通して出版社側からオファーが掛かり、プロ作家デビューを実現する人も増えているとされています。



ただ、その様ないわゆる『なろう出身書籍化作者』が増えていると言っても、その実態はあまり明らかとなっていないのが実情です。出版社単位での集計はあっても、小説家になろう全体を対象とした集計はなく、不明な点が多いというのが現状ではないでしょうか。


そこで今回、『小説家になろう全体を対象とした、なろう作品書籍化の現状』について、小説家になろうの公式ページを情報源として、その実態を明らかにしていゆきたいと思います。



――――――――――――――――――――――――


□ 検証方法


今回、データソースとして『小説家になろう』の公式ページである『書報―出版作品紹介』ページに掲載されている『出版作品紹介記事』を用いることにします。


『書報―出版作品紹介』ページは小説家になろうインデックス(トップページ)の下の方にリンクが掲載されています。


挿絵(By みてみん)

※引用画像:書報―出版作品紹介ページ

https://syosetu.com/syuppan/list/


この『書報―出版作品紹介』ページへの掲載申請は出版社を問わず『紹介条件』を満たせば誰でも行う事が可能です。


現在の紹介条件は以下の通りとなっています。


挿絵(By みてみん)

*引用画像:書報掲載申請

https://syosetu.com/syohourequest/input/


この中でも重要な点をまとめると

 ①小説家になろうグループへ本編を掲載中の作品であること

 ②個人出版ではなく、出版社・編集者を通した書籍・電子書籍であること

 ③申請は原則として著者本人が行うこと


となります。


①については、2016年9月に『ダイジェスト版が禁止』される方向で小説家になろう規約が改定*1されたという経緯があるため、今回の検証においても規約の改定による影響は考慮に入れていきたいと思います。


*1 【重要】ダイジェストのお取扱い、その他規約に関するお知らせ【追記あり】 - 小説家になろうグループ公式ブログ

https://blog.syosetu.com/?itemid=2004



また、『書報―出版作品紹介』ページへの掲載申請は『原則、著者本人による自己申請制』であるため、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』も多少存在すると思われますのでご留意ください。


今回の検証ではあくまでも、『書報―出版作品紹介』ページに掲載されている作品を集計対象として扱います。



――――――――――――――――――――――――


□ 結果


データ取得日時:2019年8月8日


総取得件数:3529件


今回、現時点で存在する「全3529件」の出版作品紹介記事を取得することができました。


以下、このデータを元に検証を進めていきたいと思います。


――――――――――――――――――――――――


<< 『出版巻数』の年別推移 >>


まず最初に『出版巻数』の年別推移について見ていきたいと思います。


□ 結果


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


□ 考察


最も古い出版作品紹介は2000年に遡る様です。


ただし『小説家になろう』が正式に運営開始されたのは2004年4月*2ということなので、この出版紹介情報がどれぐらい確かであるのかは多少疑問が残るところではあります……。


*2 サイト案内 || 小説家になろうグループ

https://syosetu.com/site/group/





出版数の推移を見ると、2010年代に入ったあたりから急激に数が増加していることが分かります。


そして2017年にピークをむかえ、2018年は若干減少。2019年現在は8月8日時点で501となっている様です。


なろう作品書籍化の出版はピークを過ぎてしまったのでしょうか?


それを検証するために次は2015年からの月別推移をみていきたいと思います。



<< 2015年以降の月別推移 >>


□ 結果


挿絵(By みてみん)



□ 考察


月別の推移を見る限り大きな落ち込みは見られず、また月別集計によるピークは2019年3月であることから、まだまだなろう作品出版件数の伸びが止まっているという事では無さそうです。


一方で、2010年頃から続いていた急激な成長は現在ではもう収まってきていると言えそうです。



【 補足 】


最後に『アルファポリスの出版作品紹介数』の推移についてここで補足として加えておきたいと思います。


なぜなら『アルファポリスの出版作品紹介数』の変化が今回の数字に大きく影響を与えていると考えられるからです。



<< アルファポリスの出版作品紹介数の推移 >>


□ 結果


挿絵(By みてみん)


アルファポリス社から出版されたなろう作品の作品紹介記事は、なろう規約の変更があった2016年をピークに、2017年以降は激減しています。


このことが、今回の『書報―出版作品紹介』ページをデータソースとして用いた出版巻数の推移に大きく影響を与えているのは間違いないでしょう。


※なおアルファポリス社から出版されるなろう出身作品は、なろう規約の改定によって『書報―出版作品紹介』ページに載らなくなっただけで、引き続き出版刊行は行われています。


――――――――――――――――――――――――


<< 今回のまとめ! >>


・なろう作品書籍化が活発になって来たのは2010年以降


・出版のピークは2017年


・ただし月別でみると2019年3月がピーク


・なろう規約の改定で『書報―出版作品紹介』ページに載らなくなった、アルファポリスから出版されているなろう出身作品の事も考慮すれば、なろう作品書籍化市場が縮小しているというわけでは無さそう


――――――――――――――――――――――――


<< 次回 >>


なろう書籍化『作者人数』と『出版巻数の割合』


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