200文字未満作品
投稿できなかった200文字未満の詩を三作まとめました。
「起床のラッパは今日も鳴る」
「ブラックホールは孤独」
「個人的自殺者」
の三作です。
「起床のラッパは今日も鳴る」
起床のラッパは今日も鳴る。
私は戦闘服を身に纏う。
起床のラッパは今日も鳴る。
装備品を確認し、準備をする。
起床のラッパは今日も鳴る。
さぁ、いざ戦場へ。
私は重い扉を開け、学校へといざ向かう。
「ブラックホールは孤独」
充実していると思っていた毎日の中、突然押し潰されるように孤独感を感じる時がある。
そんな時、私は意味もなくトイレに駆け込む。
まるでブラックホールに飲まれる光のように。
私は光。
長い人生という宇宙で、孤独感という重力に引き寄せられた光。
ただ、一つだけ光と違う所があるとすれば、このブラックホールは抜け出せるという事だ。
私はトイレの扉を開け、また宇宙を遊泳する。
次のブラックホールに飲まれるまで。
「個人的自殺者」
スーツや制服に身を包んだ人達は、今日も血まみれの駅で電車を待っている。
転落防止の柵から腕を出し、「個人」を線路に捨てて、電車を待っている。
ホームに近づいた一号車は、線路上の「個人」を全て轢き殺し、血しぶきをホームに撒き散らした。
「社会」となった人達を乗せて、電車は今日も進む。
「個人」は何度でも蘇り、そしてきっと明日も自殺していくだろう。
ちなみに、自殺率は年々減少していっているらしい。