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プロローグ


「レイシス・バーナント、貴公に4月から魔法生物軍大将の任を与える。精進せよ」



 ある日急に魔王城に呼び出された俺は、そのまま謁見の間へと通され、魔法生物軍大将に任命された。


俺は文官だ。剣なんて持った事もない。とは言わないが、前線で戦ったことはない。


しかも、魔法生物軍……魔王軍の中で2大異形部隊と言われる軍のひとつだ。

ちなみに2大異形部隊のもう一つは百獣軍。獣人とか、虫とか、果ては植物まで、植物に関しては生きてるのかどうだがわからないが、兎に角、生きていて魔人じゃないものはみんな百獣軍だ。

いっぽう魔生軍は生無き者、物を使役する軍だ。アンデッドだったり、ゴーレムだったり。


 そんな魔生軍であるが、将軍や将校は生ある者の場合が殆どだ。

でなければ、誰が命令するんだという話になろう。

通常は、死霊術に長けた者が将軍となる。稀ではあるが意志ある不死者が大将になる場合もある。

俺がどちらなのかと問われれば、どちらでもない。

生きていることは間違えようのない事実である。これだけは本当に間違いない。

もしかしたら、死霊術士としての隠れた才能ががあったり、御先祖様が魔法生物作成の大家であった可能性は否定できないが、現状我が身にはそう言った能力は見受けられない。

元いた地位が大将以上かと言われるとそんなことないから左遷では無いが、嫌がらせ人事ってやつだろう。

我がバーナント家はリックガルド家との政争に負けつつある。

この異動が切っ掛けとなりバーナント家が、瓦解しなければ良いが……



 他軍であれば、大将が不人気位であることなどありえないのだが、こと魔生軍に限ってはあり得る。

魔生軍は比較的、比較的?いや、かなり、魔王軍の中でも嫌われている。

まぁ百獣軍だって似たようなものなのだが、魔生軍の大半を占める不死隊は臭う。

死臭というか、腐った臭いというか……実際死んでいるし、腐っているので至極当然なのだが、そんな臭いがする。

ほとんどの死霊術士もそんな臭いがする。

鼻の利く獣人などは視界に入らずとも、不死隊と随行するというだけで顔をしかめる。

俺からすれば、獣人、おまえらだって十分臭いけどな。


 臭いのことは置いておこう、嫌でも慣れることになるだろうし、臭いでは人は死なない。 ……死なないよね?

まぁこれも大きな問題ではあるが、皆が配属を忌避する問題は別にある。

それは魔生軍は基本的に前線投入されるということだ。

これは死ぬ。

誰もが知っている。子供だろうが、奴隷だろうが、どんな学の無い者でもわかる。

前線に行く奴は死ぬ。前線に立ち続ける奴は遅かれ早かれいずれ死ぬ。

まだ、大将で良かったと安堵するべきなのか?本陣まで切り込まれることなど無いのだからと気に留めないでいるべきなのか?


 戦時で無ければまぁまだ良いのだろうが今は戦時である。


 この世界の種族中で最も多い種族は?と問われればそれは神人であると答えざるを得ない。

神人は我々ほど強靭な体を持つわけでは無い。頭抜けて賢いわけでもない。

だが、神人は誕生以来増え続け、今やこの世界中に広がる最大種族だ。


 ある日、神人は神人以外を認めないことを決定。神人以外の知識ある生物全てを滅ぼすことに決めた。

反抗する亜人や魔人たちは結束し、魔族の国を建国、必死の抵抗を試みる。

俗に言う魔神戦争だ。向こうでは神魔戦争というらしいが。

 

 10数年前の大戦以降、大規模な戦闘行為は行われていない。

もしかしたら神人はもう攻め入って来ないのかもしれない。が、国境周辺では小さないざこざが絶えず起こっており、未だ警戒を解くわけにはいかない。



 話は魔生軍に戻そう。そんな嫌われている魔生軍であるから、少々排他的な雰囲気がある。

うまく馴染めるのだろうか……

現魔生軍大将のヴァランタイン伯は百獣軍に吸血鬼部隊として編入された。

不死だけど生きてるよね?魔生軍じゃなくね?という長年の論議に、ある種の結論を出した形になる再編である。

彼らが使役する蝙蝠は完全に魔法生物なので、魔生軍でなんの問題も無いと俺は思ったのだが、上で決めたことだ。何も言うまい。

百獣軍には吸血鬼達と長年いがみ合っている人狼がいるし、しかも大将から中将への降格人事だ。

きっとあっちはあっちで大変なことになるだろう。

まぁ俺の知ったことではないが。


 そうそう、で、その配下、次期大将と目されていた不死の王、ノーステア伯。

ノーステア伯はアンデッドでありながら爵位を賜り、不死の者としては吸血鬼を除き、初の伯爵まで駆け上った知らぬ者のいない偉大な不死者である。

豪放磊落、部下の受けは頗る良い。


 さて、そんな不死者の英雄を差し置いて、子爵の俺が大将に就いたとする。

巷はこんな噂で溢れ返るだろう。

「ノーステアは伯爵になったが、それは名誉伯爵のようなものだったのではないか?あんな若い子爵が大将になるのだから」

「結局不死者が政治に介入しようなどというのが甚だ愚かな話だったのだ。奴らのどこにそんな脳味噌が詰まっている?」

「会議や祝宴に出席せぬものはやはり貴族では無いのだ。あれはただの兵卒よ」

ひどい言われ様である。この罵詈雑言は俺の妄想ではあるが、まぁ普段の貴族連中を見ていれば内心何を思うかなんて想像がつく。


 悪しき噂を聞いた不死者はなんと思うだろうか

その部下達は当然ノーステア伯が大将になるものと思っているし、なるべきだと思っている。

まぁ実際そんな脳味噌がある物が幾許もいるのだろうかという疑問はあるが。まぁいい。

そんな中、子爵、不死者となんの関係も無い子爵が大将になるのだ。

あぁ今から憂鬱だ。



※※※



「やぁ諸君。私が今日よりこの魔法生物軍の大将となった、レイシス・バーナントだ。よろしく頼む」



 簡潔に。

武人たるノーステア伯に倣い、簡潔に挨拶を済ませる。

歓声も非難も何も出ないが、まぁ大半は命無き者たちであるから当然かもしれない。

魔王城から遠く離れた魔法生物軍詰所にて就任の挨拶を行った俺は、早々に控室へと戻った。


「バーナント様、早くないですか?そして短くないですか?更に素っ気なくないですか?」


 矢継ぎ早に質問だか独り言だかわからないが、俺に向かって話しかけているのは補佐官として俺につけられた男。サビル・エルテシア24歳だ。

魔人にありがちな黒髪に、赤目、そこを除けば神人と見た目は変わらない。

まぁ俺もだが。

ただ、身長は俺の半分くらいしかない。


「まぁ魔生軍の大将っていうものは、そういうものらしいぞ?」


 本当はどうなのかわからないが、軍の殆どを占める人形相手にいつまでも講釈を垂れるのであれば、それはきっと余程の暇人だけであろう。

一瞬目を見開いた後、呆れたように、また興味を無くしたように顔を背け、

「そうですか。バーナント様。まぁ、はい。御挨拶については分かりました。さて、それでは早速次の予定なんですが、軍内の見学です」



※※※



 見学後、種々の手続を済ませ、魔法生物軍詰所内にある私室に戻ってきた。

ドッカリと椅子に座り天井を仰ぐ。

はぁ……なんていうか、本当に臭いんだな。

果てなく憂鬱になってきた。


 離れに風呂を作ろう。

この臭いのまま家に入ったら、怒られそうだし、俺も嫌だ。

完成まで、しばらくは我慢であるな。


 自宅離れの改築について思いを馳せていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。

そういえばサビルはどこに行ったんだ。と考えながら背筋を立たせ「どうぞ」と発する。


「失礼スル」


 独特なイントネーションが聞こえ、ドアが開かれる。

その先に立っていたのは。

声の高さから女性かとも思ったが、黒髪黒目の青年である。

まるで血が通っていないかのように白い顔をしているが、非常に整っておりその白さも相まって人形のようだ。


「バーナント大将、コ度の就任オめでとうございマス。  私は、不死隊中将、ライツ・ノーステアデス」


 部屋に入る前にそう言うとノーステア伯は一礼し入室してきた。

いつの間にいたのか、その後ろからサビルも入ってきた。


「ノーステア伯。お目にかかれて光栄です。お噂はかねがねお聞きしております」

目いっぱいの笑顔を作り、椅子から立ち上がる。

室内のテーブルに座るように促し、自分も移動する。

おまえがやれよサビル。と思わなくもないが仕方ない。

サビルにはお茶を持ってくるという仕事があるはず。あるはずなんだが、何故か俺の隣に立っている。

気ぃきかねーなコイツ。


 そんな思いが顔に出ていたのか

「お構いなく、スグに退室スルゆえ」

ノーステア伯から気遣いの言葉をいただいてしまう。

おいコラ、サビル。


「とりあえず、おかけになってください」

ノーステア伯が座ったのを確かめてから、俺も腰をかける。


「部外、管外からの突然の異動にて、ご迷惑おかけすることも多々あるとは思いますが、なんとかよろしくお願いします」

とりあえず当たり障りの無い挨拶を投げかけ様子を見ることにする。


「フム。いや。こちらこそ、よろしく頼む」


 傍目には偉そうな糞餓鬼にしか見えないが、実はノーステア伯は御年数百歳なのでこちらも敬語、あちらも敬語のややこしい関係に……なってないな。

いきなりエラそうじゃないか。


「イキナリのハナシで申し訳無いのダガ、バーナント大将は死霊術士ではナイのか?」

「えぇ、死霊術に関わったことはありません」

「使い魔もイナイようだが、ワレが見え無いだけカ?」

「いえ、使い魔もいませんよ。有生も無生も」

「もしや。なにかしらの武技を修めておられるのカ?」

「いえ、若いころは少々かじりましたが、膝を痛めてしまい、今ではからっきしです」

「フム。ではなぜ、マセイ軍に?」

「私が聞きたいくらいですね。縁も所縁もございません」

「クアッハ。そうか」

ひとつ大きく笑い、満足したようにノーステア伯は頷いた。


「ワレは、長く生き過ぎているゆえ、いろいろオックウでな……」

「はい」

とりあえず相槌だ。

確かにノーステア伯は会議嫌い、祝宴嫌いで有名だ。

世辞も言わぬため、貴族のウケは頗る悪い。

等と考えていた所に飛び込んできたのはこんな言葉であった。


「お主、死んでみるカ?」


ふいに何かの圧が身に降りかかる。

武官であったならばそれが殺気であることに気付いたであろうが、いかんせん文官のレイシスとサビルにはそれがなんであるかまではわからなかった。

ただ、冷や汗が流れ、身体が小刻みに震える。


「お、おだやかでありませんね」

震えながらようやっと声を絞り出す。


 ふと横を向くと立ったまま気を失っているであろうサビルがゆらゆらゆらゆらと揺れている。

その顔をよくよく見てみると、完全に白目を向いており、その顔が滑稽でしかたないのだが、それを笑えないくらいには未だ圧がかかっている。


「ナァニ、痛イノハ、イッシュ……そうか、ア、いや、すまぬ、レイシス卿。手順を飛ばしてしまっタ」


 手順?

手順ってなんだ。

手順を踏んでから殺すってことか?



※※※



 よくよく話を聞いてみるとこういうことだったらしい。

レイシスは生者であり、魔生軍で活かせる有用な能力も無い。このままでは、軍内での立場が危ういのではないか?

直属軍はまぁ自分が抑えるから良いにしても、それ以外の将校達からの反発は必至である。

死霊術にしても魔法生物作成にしても一朝一夕でどうにかなるものではない。

であるならば、自分と同じように死んでしまうのが手っ取り早いのではないか?

幸い自分は不死者でありながら死霊術にも長けている。善は急げだ。


 しかし、よく考えれば貴族であるし、上官でもある。

いきなり殺すのはどうなんだろう?と思いとどまったとのこと。

はぁ、なるほどねー、じゃぁちょっとシンキングタイムで貰って、それからにしようかー

などとなる訳もなく、今日のところはご退室いただいた。


 よく考えたらって、よく考えなくても分かるだろうに。

なんなのよ。魔生軍。前途多難すぎるでしょ。




※※※


※※※




 はぁっ


はぁっ

  

  はぁっ


はぁっ


 ダメだ。


もう


 走れない。



終わりだ。


  すべて


終わる


 ステア……シルバ……オルフ……、サビル…… 皆、無事で……




口の中に入り込んだ土を吐き出す気力も無く。


肌を焦がす熱波が身体を包む。


意識が失われるその間際。


「大将はやらせんヨ」


最後に聞こえたのは、少年のような少女のようなそんな声だった。



※※※



 目が覚めると、どうやら俺は土の上にいるらしい。

生きている?生きているようだ。



 魔族の国に侵攻した神人の国。

突如現れた大軍が王都を包囲にかかると同時に4人の勇者が王都に侵入。

ほんの数時間で、その、たった4人の勇者により王都は落ちた。


 たまたま登城していた俺は見ていた。

王国中が見渡せる、王都の王城から見ていた。

弓の勇者が降らせる矢の雨を。

槍の勇者が幾人もの魔人を一刺しに貫くところを。

剣の勇者が人を……人だけじゃない、家までも切り裂くところを。

杖の勇者の使う炎の魔法が町を焼くところを。

嗤う勇者達が、射し、穿ち、斬り、潰し、燃やし、打ち据え、叩き割り、引き裂き、踏み潰すところを。


 そして、神人、神人、神人の大軍が町を包囲していく様を。



 包囲が完成するよりも、王国が蹂躙される方が早かった。

それが不幸中の幸いであった、僅かな包囲の隙間から、幾許かの魔族は王都を逃げ出すことに成功した。

俺もそんな幸運な魔族の内の一人だったらしい。


 サビルは?

サビルはどこに行った?

俺と一緒に逃げていたはずだ。


 つつ……

痛む体を起こし、周りを確認する。

森だ な……

辺りを見回すと大木に囲まれていることがわかる。

逆に言えばそれしかわからない。


ここまで大きな森となると……愚者の森か……?

太古の森か……?



「目覚めたようだナ」



ガサガサという低木を掻き分ける音と共に、俺に向けてであろう声がかけられる。

なんとか立ち上がり警戒する。


「誰……だ?」



「我の声を忘れたカ?いや縮んだユエ、声色が変わったカ?」


現れた何かは俺に向かって独特なイントネーションでそう言った。

たしかに、面影があるし、こんな話し方をする友は一人しかいない。


「ステア?!」


「如何にも如何にも。我であル」



カッカと笑いながら歩み寄ってきたのは 10代前半の少女。

黒髪黒目の、人形のように白い”少女”だった。




「って、女だし!子供だし!どうして?なにが?」

「イヤ、まぁ女か、そういえば今度はそうだナ。女ダ。我は本来、性別なゾもっておらぬからナ。そのあたりは適当ダ。ナンダ?意外に元気だナ」

「元気じゃない。元気じゃないけど。適当だから、それで急に女の子になる?こともある?ってこと?」

「以前に言ったデあろう。我は不死でアルガ、消滅した場合蓄積したマナを使用し蘇るト。その際、なんらかの要因で性別が決まるト」

「あぁ……聞いた気もするけど、そう……だったかな?……それにしてもステアを消滅させるって……杖の勇者の魔法でも受けたのかい?」

「……まぁ、そんなところダ。……それに、子供だというのならバ、お主も対して変わらぬゾ?」


ん?

そこでようやく気付いた。

ステアと立ち上がった俺の目線が合っている事に。

ん?

手のひらを見る。少年のような、苦労のしていなさそうな手だ。


ペタペタ。全身を触ってみる。

「小さくなってるっ!!!」

「俺、小さくなってるっ!!!」



※※※



 落ち着いて話を聞いてみるとこういう事らしい。

王都からの逃亡中に杖の勇者による大規模殲滅魔法を受けた俺は死ぬ寸前であったらしい。

そこで、このステアという名の不死王が、禁呪を使用し俺を一時的に甦らせたらしい。


ちなみに禁呪の代償でステアは完全消滅したそうだ。ウケるね。



 80年分程溜まっていたマナの内、10数年分を自分の再生の為に残し、残りを俺の為に使ってくれたらしい。

が、魔人の身体の再構成は大量のマナを消費するらしく、俺は7歳くらいで蘇りかけた。

が、7歳の子供連れて逃亡など出来ないと思ったステアは考え直し、蘇らせる俺の体積を削ることにしたそうだ。

生前、故人が背の高すぎる事を気にしていたようなので、ってうるさいわ。

そんな小細工が功を奏してか俺は見た目年齢10代前半で蘇ることが出来た。


 なにこの若返り魔法。

ステアってば大魔導じゃん。

こいつと仲良くしてたら、俺も不老不死じゃないか。じゃないか?



※※※



 若干、精神年齢が下がっているようだ。

名は体を表すし、性格は顔に出ると言うが、肉体は精神にも影響するらしい。

そういえば師匠が言っていたな。

「健全な精神は、健全な肉体に宿る」と。

今思えば師匠はいろいろと良いことを言っていた気がする。

覚えてないけど。きっと若返ったせい。精神年齢が下がったせいで思い出せないのだろう。


 健全な肉体といえば、長年苦しんでいた膝の痛みが無くなっているらしい。

更に、ペンより重い物を持てなかった両腕も回復しているようだ。

らしい、ようだと言うのには訳がある。これはステアの弁であるが、自分で全くわからないからだ。

「体中が痛い」 それが現状だ。


 再構築時に破損個所を修復してくれたとのことだが、ならばもう少し良い顔にしてほしかった。

そんな愚痴をこぼすとステアは「クアッハ。我はお主の顔嫌いで無いカラな。そのままダ」とのこと。

年甲斐も無く顔が赤くなってしまった。

いや、年相応なのか?



※※※



しばらくして、落ち着きを取り戻した俺。


「ステア、お前はこれからどうしたい?」

「どうしタ?急に?」

「いや、命を懸けて救ってくれたお前の願いと言うかなんというかをなんとかしたい」

「なんダ。それハ。しまらんな。お主文官であろう。もう少し語彙があったと思うガ?」

「いや、溜めてた魔力の半分以上を俺なんかに使ってもらったんだ。なにか恩返ししたいんだよ」

「クアッハ。そうカ。では……」

「では?」

「我ハ存外、王都を気に入っておったのダが。それを蹂躙していったアレらは許せぬのぅ」

「なるほど」

「特にあの4人はなんとかせねばなるまイ。あの勢いのまま責められれば魔族は滅んでしまウ」

「うむうむ」

「早急に排除が必要デあるが、現段階ではその手段がナイ」

「ですよね」

「が、アテが無いわけではナイ」

「ほうほう」

「……ふざけているのカ?」

「いやっ、いや、ふざけてない。断じて」

「……そうカ、なら良いが、とにかく一度引き、情報を集め、仲間を集め、秘密の手段でアレらをどうにかしたい。という訳ダ」

「オーケー。その秘密の何かが分からない以上。まったく分かっていないに等しいが、兎に角一度引いて情報集めってことだな」

「まぁ……そういうことダ」



※※※



 【4人の勇者を倒し、神人の国を滅ぼす】

まずは、現状王都が、王国がどうなっているかの把握からだな。


 元魔生軍大将レイシス・バーナント、元魔生軍不死隊中将ライツ・ノーステア

どう見ても少年少女にしか見えない2人は大きな目標を持って旅に出るのだった。


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