表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
町内勇者の変説  作者: 颯輝
2/5

第2部?

朝起きるとアホ毛が光り輝いていた。

いったい何のことかわからないと思うが、今の状況を一番わかりやすく説明している。

アートはひとまず頭の中を整理させるため、父親と話をすることにした。


「それで、なんでこんなことになってるのか原因は分かっているのか?」

「うーんそれなんだがな……大体の見当はついているらしいが詳しいことまでは調査中だそうだ」

「そうか……」


本人たちはいたって真面目に会話をしているが、傍から見れば相当おかしな図になっている。

息子の頭にあるアホ毛はまぶしく光り、その父親は上半身裸で乳首はアホ毛の光をキラキラと反射している。

少しの間を置き、アートは自分のアホ毛について話をする。


「はぁ、それにしてもなんで髪の毛が光ってんだよ」

「……この光……やはり」

意味ありげに呟く父親に聞き返す。

「なんだ? なにか知ってるのか親父」

「あぁ、俺も一度しか目にしたことはないがこの輝きは……」

「この輝きは?」


父親は言葉をためながらゆっくりとアートのアホ毛を指さしながら


「悪しき魔を断つ聖なる剣の輝きだ!」


と声高らかに断言する


「はあ!? 聖なる剣!?」

「そうだ! 俺がまだ小さかった頃、王国に行った時に見たことがある!」

「なるほど、だてにこの町で唯一の鍛冶屋って名乗るほどの事はあったってわけか」

「……かもしれない」

「一瞬でも感心して損したわ!」


しかし手がかりであることに変わりはないので、もう一度鏡で確認をする。

やはり何度見てもおかしい、当然と言えば当然だ自分のアホ毛が光っているなんてこれまでもこの先も絶対に経験しないはずだ。

そう思いながらアホ毛に手をかざしてみたら事態がまた急変する。


アホ毛が取れた。


またしても突然のことで驚愕を隠せない、しかも頭についていた時より少しだけ大きくなっている。

先程親父が言っていた聖剣という説が現実味を増してくる。


「ハハ……ハハハ」


この短時間で様々なことが起こりすぎたせいか、乾いた笑いしか出てこないアート。

顔を引きつらせながら窓の外に目をやると、雲一つない晴天だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ