始まり?
ノリと勢いでいきます
朝、窓から差し込む日差しで目が覚める。
「んああ……うぇ……」
変な声を上げながら身体を起こして伸ばして回して、頭をすっきりさせ顔を洗うため鏡の前に立つ。
ここで違和感を感じ鏡を見つめたまま動きが止まる
――なんだ、こんなところに照明なんて置いてあったか?
そう考えて冷たい水で顔を洗いまだ半分寝ぼけた頭を覚ます、すると先ほどから周りを照らす光の正体が判明する。
それは自分のアホ毛だった。
なにが起きているのかまったく理解できなかった、とにかく朝起きたら自分のアホ毛が太陽の如くまぶしく光り輝いている。
「んんんんはああああああああ!? 親父いいいいいいいいいい!」
慌てて父親のもとへ駆け出し事の詳細を説明しようとする
「お? やっと目が覚めたかアート、おはよう!」
「のんきにおはよう! とか言ってる場合じゃねえ!」
いつも通りすぎる朝の挨拶をしてきた父親に対して絶叫に近い勢いで言い放つ、この訳が分からない状況でなにを素っ頓狂なことを言っているんだ。
「見ろよ! 俺の髪が! こんなにまぶしく光っ……て……?」
「やっぱりお前もか! これか? どうだ!」
見ている光景があまりにもアレで言葉が途中でフェードアウトしてしまう、何故だか上半身裸で居間に座っている父親の乳首が宝石になっている。
しかもダイヤモンドだった。
――どういうことだ? 俺だけじゃない? じゃあさっきから外が騒がしいのはまさか。
外へ出てたしかめてみると予想は的中した、町の人達みんなが少しだけ変になっていた。
「どうなってんだよ……」
そうつぶやいた少年「アート・ヘルミオ」のアホ毛は今もまばゆい光を放っていた。