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コマンド一つ

「何が起こったんだ!」

「奴のスキルだ! ここのボスは半径100Mのどこかに罠を仕掛けることができるんだ!」

ウェルカムがその言葉にたかやが答える。

「いつ罠をしかけたんだよ!」

「喋ってる間だよ! レベルが高くなるとスキル発動のオーラが消えるんだ!」

たかやがそう言って、盗賊の頭に向き直る。

「2発目! 来るぞ!」

その言葉と共に、こんどはとんすとん店主の後方で大爆発が発生する。

「またピンポイントで……。」

「たかや!! 罠の配置場所がランダムじゃなくなっている! なんか『ノウアスフィアの開墾』でパワーアップしてるみたい!」

ドラゴンナックルがそう言ってたかやに声をかける。

「……なんだって!それじゃあっ。」

次の瞬間、たかやは奇妙な気配を上から感じる。

「<エクストラムーブ>!」

間一髪のでタカヤの頭上から何か液体が降ってくる。

びちゃりと液体が垂れると、そこの液体がすぐさま消え去る。

「……酸の罠か!」

危ないところだった。防御力を下げられるのは、守護戦士として致命的だからだ。

「アクション無しで攻撃を仕掛けてくるだと!」

「アクションとは何だ?」

「野郎!」

立ったままの形で平然とたたずむ盗賊の頭に対してウェルカムが怒りの声を上げる。

「突進するな。奴の前に罠がセットされたぞ!」

「……ちっ!」

たかやの言葉に、盗賊の頭が舌打ちをする。

「罠の材料だって有限のはずだ。時間をかけて戦えば……。」

とんすとん店主がそう言って、戦い方を喋る。

にやりと盗賊の頭が笑いを浮かべた。

「駄目!」

「奴はMPだけで罠を作れます! 時間をかければかけるほど不利になるのはこちらです!」

「インチキスキルだろそれ!」

「ここは経済システムから離れた場所なんです。アイテムは入荷されませんしここに物を運ぶクエストとかは存在しないんです!

 ですからそういうスキルがないと、罠とか作れないんです。」

そのたかやの言葉に、盗賊の頭は急に頭を抱える。

「黙レっ……。」

やや怒気を秘めた声で盗賊の頭はたかやをにらみつける。

「ねえたかや。なんか様子がおかしいよ。」

「……ああ、スキルを使っていないのにここまでヘイトが溜まるのは変な話だ。」

「そうじゃなくて、なんか視線とかキョロキョロとしすぎというか、なんか変な感じというか……。」

「俺達はここで生きてきたんだ!! それは間違いのない事だ何だ!」

「親分、どうしたんっすか?」

「………はぁ……はぁ。ランク1ゴトキガ……。」

そう言いながら盗賊の頭はガンガンと自分の頭を殴りだす。

「なんだ?バグったのか?」

「……ふざけるな……貴様も……貴様らの仲間も滅ぼしてやるっ。」

盗賊の頭はそう言いながらも次々と罠を繰り出しながら攻撃を仕掛けてくる。

たかや達は攻撃を受け、防ぎ罠を発動させながらその攻撃を防いでいく。

「えんたー☆ていなー。何やってる攻撃してくれッ!」

ウェルカムがそう言って、えんたー☆ていなーに声をかける。

(……まずいな…。1時間を切った。)

「マスターたかや。召喚してから1時間が経過しました。

 残り時間59分55秒です。」

「わかった!」

ひーらーの言葉にたかやが返す。

支援者召喚の指輪の効果は2時間。再使用時間は2時間後に1時間に5分の割合で回復が始まり、20時間で完全に回復する。

つまり残り1時間で相手を倒し切らなければ、ひーらーの召喚が終わってしまう事になりかねない。

「ひーらーを通常攻撃に移す!」

その言葉に反応して、ヒーラーが武器を持ち盗賊に立ち向かう。

(罠が多すぎる………踏み倒していける範囲じゃない……。)

たかやはそう言って、周囲にある罠を見回し、次の行動にうつる。

「……これが冒険者の実力かよ……前の奴らとは大違いだな。」

「前の奴ら? それはひょっとして、『三日月同盟』の奴らの事か?」

えんたー☆低なーの言葉に盗賊はきょとんとした顔を浮かべた後にニヤリと笑う。

「違うな。『ウルフ&フォックス』って奴らの事さ。ひひひひ。俺達は味のする料理なんてどうでもいいのさ。」

盗賊の一人がそう言って一同をからかう。

「ちょっと待て!」

たかやがそう言って、ツッコミを入れる。

「そう言うプライバシーの問題はデリケートなんだぞ。

 そう簡単に教えていいのか?」

「……は??お前一体何を言っている?」

「だーからー。NPCにそんな事を言ってもわからないって。」

「黙レ……。全員撤退だ。」

盗賊の頭がそういや否や盗賊の足元に魔法陣が現れる。

「テレポートの罠か!」

「ここに入れ!」

その言葉と共に、盗賊達は一気に帰っていく。

「………逃げられたか。」

たかやはそう言って、苦虫をつぶしたように黙る。

「………何だ今のは?」

「テレポートの罠だ。おそらく偶然あそこに配置されて……。」

「偶然じゃない。狙ったんだ。」

ドラゴンナックルがそう言って貴也の言葉をふさぐ。

「おそらく、一度戦って勝てないってわかったから自分達の足元にテレポートの罠を配置して脱出したんだ。」

ドラゴンナックルのその言葉を聞きながらたかやは眼鏡を変える。

「………色々アップデートしすぎだろ……盗賊達はあっちの方か……」

「……ゲーム脳もいい加減にしろよ。」

たかやの言葉にえんたー☆ていなーが茶化すように言う。

「……だけどゲーム時代と能力とかは変わっていない。……変わっていない?」

「どうした?」

「いや、個人的な思い付きだ大したものじゃない。」

その言葉と共にひーらーの姿が消え、一同はたかやの指さす方へと歩き出したのだった。


言い訳

タイトルは『こまんどひとつ』です。『こまんどーつ』でも『こまんどうつ』でもありません。

スキル発動のオーラが消えるのは不自然かもしれませんが、前回書き忘れちゃったのでそのまま押し通してます。

MPだけで罠が作れる⇒素材無しで物が作れる超インチキです。これは敵NPC特権としておいてください。

ランク1ゴトキ⇒盗賊の頭は何かに乗っ取られています。今回は顔見世程度という事で。

支援者召喚の指輪⇒廃人バイバイ使用のアイテムです。ぶっちゃけると強すぎると他の人間が持っていないのが不自然なレベルのアイテムになってしまうので。一応たかやは課金で手に入れました。

頭強すぎね?⇒この話ではかなり大地人に下駄を履かせています。それに一応、ウエノフィールドのボスです。強いです。

たかやについて⇒数値重視の廃人で考えています。ぶっちゃけると昔はやった『ゲームの数字のみを重視してアニメキャラを見下げるゲーム廃人』をモチーフにしている為、色々と変な行為が目立ってます。


おおよそ自分なりの言い訳はこんな感じです。

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