表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

紅い月に吠える夜

しかし、料理が原因なら他の客もたくさんの人が苦しんだはずだ。なぜ美月とあの男だけ…?


陽助はレストランに辿り着いた。


「なあ、店長さんに会いたいんですけど」


陽助はレストランのウェイターに、店長を連れてくるよう頼んだ。


「な、なんですか?お客様」


「いいから店長を…!」


すると奥から、店長らしき男が現れた。


「困りますよお客様。今はもう営業時間外でしてね。で、私に何かご用ですかな?」


「あんた、料理に何か妙なものを仕込んだだろ?」


「はて?なんのことですか?」


陽助は店長の胸ぐらを掴んだ。


「とぼけるな!美月はこの店を出てから苦しみだした!街で暴れた化け物も!ここに来ていた客が化けたものだった!どういうことだ!」


すると、追ってきた魔物が店のドアを破って入ってきた。


「くそっ!」


すると店にいたウェイターや他の店員も、次々と魔物へ変化していく。


「な、なんなんだよこれ…」


魔物は陽助を殴り、壁へ吹っ飛ばした。


「料理に仕込んだわけじゃありませんよ?もっとも、テーブルに置いてある、悪魔の血のスパイスを口にすると、悪魔になりますけどね。ふふふ」


店長の姿は次第に、人間から魔物へと変化した。


「てめえ…化け物だったのか?人間を化け物にして、いったい何が目的だ!」


「紅い満月が見えるようになったのは、いつからか御存じですか?」


「なんだと?」


「我々悪魔は、魔界に住んでましてね。魔界にも月があるのですよ。あのように、紅い月がね」


「何の話だ?」


「魔界に太陽はありません。魔界を照らすのはあの紅い月のみ。我々悪魔は、太陽を浴びると死んでしまうのです。そこで考えたのが、太陽の克服方法。人間を悪魔化することで、太陽があるうちは人間として生き、紅い満月の夜は悪魔として生きる。そうすれば死ぬことはない。我々は探しているんですよ。人間界に、太陽を克服できる悪魔になれる素質がある人間を!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ