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リリー・ルーニャとブルーストーン  作者: 乃石 詩音
chapter8 初めての旅行
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友達って何かしら?

 飛行船から降りて、一歩踏み出せば、そこは異国の地。学校にいた時とは全く違ったような空気が体内へ流れ込んでいく気がする。季節によって、外の匂いが微妙に違うのと同じようなものかもしれない。ヘルイユにはヘルイユの、カロンにはカロンの空気がある。

「アリア、ぼうっとしていると、置いていかれるわよ」

「あはは、そうね」

カロンではまずは、双子戦争の犠牲になった方々の尉霊に向かう。双子戦争全体での死者は、約十万人と聞いている。それほど大きくも無い土地でのこの人数は大きな損失だったに違いない。でも、その戦場となった地でもたくましく残った教会などの建物は、人間界でいう、イギリスのイメージと重なる。

「とても、そっくりだわ」

というか、この周辺の国は皆どこか、人間界の国と重なるものが多い。ヘルイユはフランス、カロンとディミニスはイギリス(というよりはグレートブリテン及び北アイルランド連合国)、カルチェラはイタリア、バドヴァールはドイツ、と言った感じか。

「どうしたの、さっきから何かおかしいわよ?」

「ちょっと、人間界のことを思い出していたのよ」

「そう」

ルックは人間界を知らない。だから、きっと聞きたい事はたくさんあると思う。でも、それらすべてを我慢するかのように、一行の列へとついて行った。

「わたし、リリーとロイスがいないと、独りなのね」

うすうす気づいてはいたけれど。それに、あの二人は友達というのもなんか違う気がする。ずっと、一緒にいるだけで。そもそも、友達の定義とは一体何なのだろうか。片方が勝手に友達だと思っていても、相手がそういう風にとらえていなければ、そこに「友達」というものは存在しないのではないだろうか。

う~ん、難しいものね、友達と言うのは。

「テレジアさん、置いてかれますよ!」

ザクセス君の声で、ハッと我に返った。駄目ね、私。集団行動というものに慣れてないわ。

「お気づかい、ありがとう。感謝するわ」

「さっき、独りがどうとか聞こえてきたけど……」

恥ずかしい、聞こえてたなんて。一人ごとのつもりだったのに。

「テレジアさんは、独りじゃないと思うよ?」

どういうことかしら……?

「ザクセス君、友達の定義って、なんなのかしらね」

「ええっと……」

そう聞くと、黙ってしまった。

「良く分かりませんが、常に心の支えになってくれて、自分自身のことでなくても一緒に喜怒哀楽を共有できる存在でしょうか……?」

それも、一里ある。でも、私が疑問に思ったことは解決できていない。

「私は、お互いが友達だと思って無ければ、そこに、友達というものは存在しないのではないかと思うの」

「そんなことを言ったら、この世の中には、友達がいるって胸を張って言える人、居なくなっちゃうじゃないですか!?」

「う~ん」

結局友達とは、言葉では存在しているけれど、現実の状況を表す言葉としては、合っていないのかもしれない。

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