二人がいなくなったその後は
「行っちゃた……」
二人は必ず戻ってくる。帰ってくる。そう分かっていても、寂しさは変わらない。
「リリー、大丈夫?」
ロイスが聞いてきた。最近、やけに優しいなロイス。何でだろう。
「うん、平気」
ずっとここにいるのも寒い。早く学校の中に戻ろう。
「ねえ、明後日の御褒美の外出、僕と行こうか。リリー、一人だよね」
確かに一人だけど。一人だから行かない気でいた。
「でもロイスは一人じゃないでしょ」
歩きながら、ロイスに答える。
「いや、僕も一人だよ」
嘘だ。ロイスは嘘をついている。いつも一緒にいる子たちは? 仲が良いんじゃないの? 一人なんて言って。
「ああ、いつも一緒にいる子たちね。名前も知らない子たちと、どうして仲が良いなんて言えるんだい?」
名前を知らない……。意外。とっくの昔に名前なんて全員覚えているもんだと思ってた。あわよくば趣味さえも。
「まあ、別に一緒に行ってあげてもかまわないけど」
「本当に?」
魔界の街はまだマルセイユ通りしか言ったことが無いから、興味がある。たとえ、一緒に行くのがロイスだとしても、一人ではないのなら行くことにしよう。
「じゃあリリー、何が欲しい?」
え、何が欲しいって……。
「なんで不思議そうな顔してるの。来月のダンスパーティーが終わるころは、リリーの誕生日でしょ。正しくは僕たち三人の、だけど」
そうだ、来月はもう私たちの誕生日だ。学校生活が楽しすぎて、すっかり忘れていたけど。




