出発の日
五日後、二人が出発する日が来た。十一月なのに、良く晴れている。色々あったけど、私は笑顔で二人を見送りたい。
全校生徒が集まって、学校の前の芝生の広場で出発式が行われる。広場も、千二百人近くがあつまると、せまく感じる。私は代表で行く人のルームメイトとして、二人に花束を渡す役を任された。
「楽しんできてね!」
校長先生の挨拶やら、六年生で一位を採った人の挨拶やらが終わると、代表の人たちは、大きな飛行船に乗り込んでいった。
飛行船が高く、高くなっていく。見えなくなるまで手を振り続けた。
飛行船の中は、とても豪華だった。モンペリエ校の内装や、外見も豪華だったけど、この飛行船は格別だ。高級そうなアラベスク柄の絨毯、灯された蝋燭が乗っているキラキラしたシャンデリア。壁は、石造りになっている。船体が非常に重くなりそうな作りで、これで何で飛ぶの? とも思ったけれど、ここは魔界。科学の力を超えた魔法で飛んでいるに違いない。
「ルック、素晴らしい造りね」
「そうね、まるでヘルイユ最高レベルの宿屋がそのまま飛行船に移されたようだわ」
そうなんだ、この国最高レベルの宿屋って、こんな感じなのね。孤児院とは、くらぶべくもない。
初めての旅行が、こんなにも長期間なんて、不安だけれど、さらなる知識をふかめることができるのはとても楽しみでもある。お土産を買う時間も、それぞれの国であるみたいだし、全力で楽しもうじゃないの!




