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リリー・ルーニャとブルーストーン  作者: 乃石 詩音
capter7 動き出すかもしれない物語
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弱い自分と

 気付くと、リリーは寝ていた。

「これはないでしょ」

幼馴染とは言え、無防備に寝ているリリー。僕は手を伸ばして、リリーのフワフワのクリーム色の髪に触れた。


「どうしようか」

ここで朝まで寝させる訳にはいかないし、起こすか。

「リリー、起きて。ここで寝ていると風邪をひいてしまうよ」

リリーは目覚めが良い。軽くゆすれば、すぐ起きた。

「……寝てた? 大変、早く部屋に戻らなきゃ」

そう言いながら目をこする仕草の可愛さ。僕は良く耐えたと思う。でも、このチャンスを逃すわけにはいかない。これは神様が与えてくれたチャンスだ。弱い自分との勝負。

「ねぇ、リリー。ダンスパーティーは僕と踊ってくれない? もちろん、違う人に申しこまれているのも知っている」

そういうと、リリーは少し困ったような顔をしてから、すぐになにか思いついたような表情になった。リリーは表情がコロコロ変わるから、見ていて楽しいし、可愛い。


「ああ、そうか! 冗談だよね。ロイスにはあの子がいるし」

いやいや本気だし、あの子って誰。……ああ、思い当たるのが一つある。

「あの子は違う。告白されて、断っていただけだよ」

「あんなの普通の断り方じゃない。普通に興味無いって言えばいいだけでしょ」

「僕は、本当は人とのかかわり方がよく分からないんだ」


優しくしないと嫌われてしまう。できる人じゃないと嫌われる、と、付け足して言った。

「完璧じゃなくても嫌われたりしないよ? そうじゃないと、私なんかとっくの昔にアリアに嫌われてる」

僕は馬鹿か。そんな簡単なことにも気付かすにいた。

「そうだね、ありがとうリリー。気付かせてくれて。あと、僕は本気だ。君が僕以外の踊っているところを想像するのも嫌だし、もちろん見るのも嫌だ」

「あぁ、そういうとこだよ、女子に対して甘すぎるところ」

「そんなに疑うなら、心を読めば良い」


リリーは半ば諦めたように言った。

「本気だということは良くわかったわ」

リリーはもういつものテンションだ。どんなリリーも可愛いけど、泣いているよりは、笑っていてほしい。

「私もあまり親しくない人と踊るのは気が引けるし、ロイスと踊ることにする」


今リリーはなんて言った? 僕と踊りたい? とび跳ねながら、そこ等じゅうを走り回りたい気分だ。そんなはやる気持ちを抑えて言った。

「そう、それは良かった。じゃ、そろそろ寝ようか」

「うん、お休み」

「お休み、リリー」


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