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リリー・ルーニャとブルーストーン  作者: 乃石 詩音
capter7 動き出すかもしれない物語
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逃げるための一手

 「いや、気のせいだよね。で、さっき私が話していたのは、一学年で三位を取った人。アルス・ザクセス君だよ。コンコルディア・ルーナ寮で、月みたいな人だったなあ」

私のことは太陽みたいだって言ってた、そう付け加えて。ああ、びっくりしたな。久しぶり、というか、珍しく、というか。ロイスが怒ったから。何に対して怒っているのかは全く見当もつかないけど。

「早く食堂に行かないと、朝食抜きになるわよ」

アリア姉さん! そういえばまだ朝ご飯を食べていなかったのだった。すっかり忘れていた。


 「リリー、どこでダンスパーティーのことを知ったのかな?」

あ、ロイス戻った。

「アルス君にダンスパーティーのペアになってくれないかって言われて。ダンスパーティーのことも知らなかったし、アルス君とも親しくないから、考えておく、としか言わなかったんだけど」

まだよく知らない人と踊るのはきが引ける。けれども、ロイス以外に親しい男子もいない。でも、もしも全員強制参加じゃなかったら。

「ねぇ、ルック。ペアで踊るのは強制なの?」

そうでなかったら、壁の花を決め込めばいい。しかし、ルックはため息をついた。嫌な予感しかしない。

「そう、それこそがこの学校のめんどくさいところなのよ。この学校はお嬢様、おぼっちゃま向けとして創設されたから、マナーを学ぶ場というのが多いのよね」

と、いうことは。

「勿論、全員参加よ」

うわあ。詰んだ。完全に詰んだ。

「だから、この二ヶ月皆ペアを作るのに必死。この学年は人数が奇数だけど、全校は偶数だからね。このためだけに、必ず、偶数になるように人数を合わせるのよ。アホらしいったらありゃしないわ」

面倒だなあ、そういうの。この一ヶ月間、テストにむけての勉強で、忙しくて全然ブルーストーン探しもできなかったし。あれ? そういえば。

「話は変わるけどアリアたちいつ出発するの?」

「五日後よ」

五日後……。すぐじゃん!

「じゃ、今日は授業が全部終わったらお祝いしよう! はい、決定!」

あの部屋で一人になるのが寂しいから行かないで、なんて口がさけても言える訳がない。

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