後のカーニバル
「あの人誰かしら。でも。なかなかに良い雰囲気ね」
「そうね、ルック」
僕の気分は優れない。リリーより上の順位にい行くことはできたのだけれど。二百三十一人中二十三位。上出来じゃないか。でも。
「握手までしてる。ダンスパーティーにでも誘われたのかしら」
ダンスパーティー?
「何だい? それは」
そんなことも知らないの? とでも言うようにルックはため息をついた。
「昔の偉大な魔法使い達をたたえる日よ。十二月にあるの。魔聖音楽を歌ったりするのよ。十二月は魔法使いたちの魔力が最も強い月だと言われているの」
ダンスパーティー、頑張ってリリーを誘うかな。そう思ってリリーを見ると、リリーはアイツと話しを終えたようだった。
「ねぇルック、ダンスパーティーって何?」
やっぱり誘われたのか。もっとこの世界についてメリクリウスさんに聞いていくべきだったなんて、後の祭りか。
「リリー、アイツは誰だい?」
「私、先にルックに質問したんだけど」
リリーは口を尖らせていった。こんな姿も可愛いと思う僕は末期か。
「分かってる。ダンスパーティーについては後で僕が教えるから。もう一度聞くよ、リリー。アイツは誰だ」
口調を優しくする余裕を無くしていたことに、リリーの反応を見てから気がついた。
「ごめん。ダンスパーティーは昔の偉大な魔法使いをたたえる日のことで、十二月にあるんだ」
僕は普通に笑って言った、つもりだった。
「何か最近のロイス変だよ」
リリーは透き通った水色の目を向けてそう告げた。その目は僕の心まで見透かしていそうだった。君は、僕の気なんて知るはずもないのに。もういっそ、見透かしてしまってほしい。気付いてほしい、君を思う僕の心に。




