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リリー・ルーニャとブルーストーン  作者: 乃石 詩音
charter6 集められ始めた真実という名の刃
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ブラックでヘビーな昼休み

「……はぁ、それでルックさんには気付かれてしまった訳ですね」

「気をつけてはいたのですが。すみません」

「気付かれてしまったのは、一学年寮長でありながら、意識を高く持っていなかった、私の責任です」

私は、いつもと変わらないメリクリウスさんの表情にホッとした。さすがにいつも温厚なメリクリウスさんでも怒るだろうと、とても緊張していた。

「二人とルックさんは同じ部屋ですし、いつかはわかってしまうことだと予想はしてましたから。ただ少しそれが早まってしまっただけのことです。気になさらないでください。ただ……」

メリクリウスさんの穏やかな表情が急に険しくなった。え? もしかして怒られる? 「気になさらないでください」とは言っていたけれど。

「三人が人間界から来たことはくれぐれも口外なさらないよう、お願いしますよ、ルックさん。どんなことがあっても絶対に、ですよ」

「わかっています」

ルックはきっぱりと答えた。そして、間をおいてから聞いた。

「『例の事故』とは何ですか」

また、メリクリウスさんの表情がかわった。こんな短時間にコロコロ表情が変わるメリクリウスさんって、ちょっとレアかもしれない。しかし、その顔は、私たちが事故の話を聞いた時と同じく、とても悲しい目をしている。深紅の瞳には女性的な長いまつげが影をおとす。今にも涙がこぼれてしまいそうだ。そしていつも首にかけているロケットを握りしめている。そんなメリクリウスさんの姿をみたルックは、触れてはいけないことに触れてしまったような、複雑の心境になっているのがわかった。こういうときって、相手の心は読もうとしなくても、読めてしまう。

 しばらく部屋は重い沈黙に包まれた。この間アリアはずっと言葉を選んでいたのだろうか。

「……あの、メリクリウスさん。その事故について話してもいいのなら、わたしたちから話しましょうか?」

ずっと心のなかで紡いでいた言の葉を、アリアは丁寧に口にした。

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