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ここは魔界マルセイユ通りin銀行
「気付かれたとは思い」ますが、この銀行は必要としている時にしか見えないのです」
それは、魔界にきたんだなぁ、ということを実感させる言葉だった。いや、もう、景色から、違いを実感していたけれど。
中へ入ると、小さな子供……同い年ぐらいの子の姿があり、両脇のカウンターにいた。奥には大きな扉がある。
「ここにいるのは小人にしては大きすぎる小人たちです。一見子供にも見えますが、彼らは立派な大人です」
小人……。確かに言われてよくよく見てみると、手足が人間よりやや長く、若干細い。耳は若干とんがっていて、俗に言うエルフ型? になっている。小人にしては大きすぎる小人、ということは、小人二も種類がいくつかあるのかな? メリクリウスさんは、受付と思しきカウンターへむかった。