危機一髪
私たちは静かに泣いているメリクリウスさんに対して、どういう風に接していいかわからず、固まっていた。アリアの心を読んで見たけど、それでもアリアもわからないらしかった。ロイスは……、ね。
どれくらいの時間が過ぎたかはわからない。
「すみません、随分長いこと思い出に浸っていていたみたいです。今日はもう遅いですし、今日は事件についてだけにしましょう。明日もこの時間でお願いします」
「「「はい」」」
私たちは部屋を出た。
「結構長かったわね」
寮の部屋に戻ると、まだ寝ていないルックに言われた。
「ルック、まだ寝て無かったの!?」
「なに? 寝てないといけなかったわけ? アリア」
「え、いやそういうわけじゃないけど……」
珍しい。アリアがこんなにも気弱に受け答えをするなんて。
「あなたたちと同じ部屋になったときからずっと私感じていたことがあるんだけれど……」
え、なんだろう?
「あなたたち……ルーニャ、アリア、ロイスって、魔界育ちじゃないわよね?」
え、バレてた……?
「ごめん、私、変なこと聞いたわね。人間界から魔界へ来ることなんて、不可能だものね」
いや、それが可能にしてしまうんですよメリクリウスさんが、とは口が裂けても言えず。
「さ、寝ましょう。明日も普通に授業があるわ」
そう言ってルックはベッドへ向かった。
「そうね、私たちも寝ましょう、ルーニャ」
「……うん」
そう言って私が見たアリアの顔は戸惑いを隠しきれずにいるときのアリアの顔だった。




