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リリー・ルーニャとブルーストーン  作者: 乃石 詩音
chpter1 魔法使いだった少女は魔界へ行く
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ここは魔界マルセイユ通り

 目の前の眩しさが無くなり、目をあけると、すっかり景色が変わっていた。地面は、レンガで敷き詰められ、街並みはアンティーク調に統一されていた。

「ようこそ、魔界へ。ここはマルセイユ通りです」

私は目の前に広がる風景に目を見開いて、見たことのない変わったこの景色を目に焼き付けていた。

 メリクリウスさんは酷く疲れたような顔をしている。

「それではまず銀行に行きましょう」

メリクリウスさんは、最初に聞いたよりも小さな声で喋った。

「魔界にも銀行があるんですか?」

「賢いアリアさんからそのような質問がくるとは意外です。家に置いておくと悪い魔法使いに盗られかねないです。つまりどこの世界にでも悪い人はいるということですね」

メリクリウスさんの説明を聞きながら歩き、さらにこの街並みを見まわしながら歩くのはとても忙しい。アリアもロイスもあちこち見まわしている。

「さぁ、着きましたよ」

どこもかしこもアンティーク調で統一された街の一角。それは突如現れたかのようにみえた。


「すみません。この三人……、ルーニャさん、テレジアさん、ルワーレ君がモンペリエ校で一年は過ごせるお金を引き出しに来ました」

「ルーニャ様、テレジア様、ルワーレ様というと……あな偉大な魔法使い!しか

し、数年前に不慮の事故でお亡くなりになられたのでは……?」

私たちの親が偉大な魔法使いで、不慮の事故でなくなった?

「そうです。三人はその子供なのです」

「そうでしたか。それはさぞかし優秀な生徒になるでしょう。それで用件は、貯金の引き落としでしたね。かしこまりました」

小人さんは奥の大きなあの扉の所へ向かった。その扉に手を翳し、何やら呪文を唱えたようだった。すると巨大なあの扉がぐにゃりと歪み、小人さんは扉の向こう側へと姿を消した。しばらくすると、小人さんは姿を現した。ここまでであの扉が完全に開く事はなかった。呪文を唱えて? ただぐにゃりと歪んだだけだった。一体あの扉の向こうはどうなっているんだろう。

「これはかなりの大金になりますので、気をつけてください。そしてこれが通帳になります」

渡された通帳もこれまたアンティーク調。

「一応説明をさせていただきますが、この銅貨一枚一ビコント。ビコント銅貨十枚でこの銀貨一コント。コント銀貨十枚でこの金貨一マルキ。マルキ金貨十枚でこのおさつ一デュックになります。なおこの通貨は魔界で統一されております

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