期待した自分がバカだった
疲れた。とてつもなく疲れた。でも、今だけは死にたくないし、倒れたくもない。なんてったって次の授業は待ちに待った魔界歴史学の授業。休むわけにはいかない。少しでも多くの情報を集めなくてはいけないのだから。
「アリア、いよいよだね」
「そうね」
歴史学の先生はどんな先生なんだろう? 今までの先生たちはなかなかキャラが濃かったからな。おしゃべりな魔草学のアージニウス・ボルジア先生とか、話の内容が哲学っぽくなっていくおまじない学のシビュラ・スピリテル先生とか。そんなことを思っていると、例の先生が教室に入ってきた。
「新一年生クラルス・コロナ寮の皆さん、はじめまして。魔界歴史学の担当をしている、ミランダ・クロニカルです」
あ、普通そう。挨拶も必要最低限だし。
「このクラスには、あの偉大なる魔法使いの子供が三人とも集まっているそうですね。これも歴史に定められた運命なのかもしれません」
前言撤回。この人、かなりの歴史マニアだ、多分。
「では、まずこの魔界の成り立ちからです。魔界は人間界のアナザーワールドとして作られた世界です」
うん、もうここらへんはもうばっちりメリクリウスさんに教えてもらったから大丈夫。
「では、魔界と人間界の違いは何か、わかるひといますか?」
はいはい~、これもばっちり勉強済みです~。しかし、手を挙げたのは、私、アリア、ロイス以外にもいた。ルックだ。
「このクラスは大変優秀ですね。はい、ではそこのあなた。名前を名乗ってから答えなさい」
おぉ! 早速当てられたよ!
「リリー・ルーニャです。えぇと、魔界は魔法の力で発達し、人間界は科学の力で発達してきました。しかし、食文化におおきな違いはありません。」
「すばらしい! 百点満点の答えです。リリー・ルーニャさん、でしったけ。あなたは、ポッティー・ルーニャのお子さんね。さすがだわ」
えへへ、ほめられたぁ。嬉しいな。
あっという間の魔界歴史学の授業は過ぎて行った。
「何故だ! 何故なんだ!」
「リリー、恥ずかしいからいきなり叫ばないでよ」
「だってさぁ、アリア。授業でなんにもヒントとか情報出てこなかったじゃん。」
「まぁ、一番最初の授業だし、ね?」
ちぇ~。期待した自分がバカだったのか。




