五時限目 魔道具学
午前中は、授業が楽しみで仕方なかった。なのに、今は全然授業内容が頭に入ってこない。ついさっきあんな話を聞いたんだから仕方ない、なんて。駄目だな、初日からこんな体たらく。
「……ですから、魔道具は、よく考えられて開発されています」
え、ですからって、何? 真面目に聞いていないと全くわからない。魔界のことなんて、知らないことばかりだ。ん、今一瞬、光った? 私が持っている、お母さんの唯一の形見、「ナミダのネックレス」が。気のせい、だろうけど。私はチラっと、右隣にいるアリアを見た。うん、アリアはいつも通りだ。左隣にいるルックも、あんなことを言っていた割に、真剣に授業を受けている。さらに私は先生にバレない程度に教室全体を見回してみた。
「なに、コレ……」
「リリーさんどうかしましたか?」
「あ、いえ」
皆、真面目に授業を受けているんじゃん。午前中には気付かなかったけど、あのロイスまでもが。そうだ、私忘れてた。この学校は、レベルの高い人の集まりだったんだ。衝撃的な話を聞いたからなんて、言い訳にすらならないし、言い訳なんてしちゃいけない。皆、この学校にいる人は、知識にたいして、ものすごく貪欲なんだ。




