二時限目 魔法規定学
「楽しかったね、授業!」
私たちは、あの授業の後、たくさんの女の子に囲まれていたロイスをおいてけぼりにして、アリア、ルック、私の三人で移動していた。ロイス、授業に遅れないかなぁ。
「君たち何でそんなに楽しそうなの」
「えぇ! ルックは楽しくないの?」
ルックはため息を一つついて言った。
「こんなのめんどくさいだけじゃない。魔法学校に通うのはあくまで義務。私はこんなのさっさと卒業して、魔界省に就職したいの」
私は呆気にとられてしまった。私たちはまだまだ子供でうら若き十二歳。(自分でいうのもおかしいけど)
「その顔だとリリーは将来の夢なんてまだ定まっていないみたいね。お隣の優等生さんはだいぶ決まっているみたいだけど」
「私の夢はいいけど、ルックはいいの? 親の会社を継がなくても」
アリアって将来の夢なんて決まってたんだ。
「親の敷いたレールなんて歩きたくないわ」
……考える事が大人だ。アリアもルックも。
「キーンコーンカーンコーン……」
そんなとき無残にも授業開始のチャイムが鳴った。それと同時にロイスがすごい勢いで教室に入ってきた。先生はまだ来てないし、ギリギリセーフ、ってところか。
入り口のほうをみていると、もう一人。見た感じ、先生のようだ。
「今急いで教室に入って行ったのはだれかしら?」
すごいニコニコしている先生だけど、目が笑っていない。怖い。ロイスがビクビクしながら手を挙げる。
「君は……」
「ろ、ロイス・ルワーレです」
「あら、じゃぁ君が昔の偉大なる三人の魔法使いの一人の子供ね」
ロイスがガクガクしながら頷く。
「残念ねぇ。そんな優秀な人材が入学早々遅れるなんて」
「す、すみません先生」
「私の名前はグロッサリー・ポスプト。ポスプト先生と呼びなさい」
私は心の中でメモッた。
「反省文を原稿用紙一枚分かくことで今回の件は許します。早く座りなさい」
ロイスがすごすごと席に戻る。
「では、授業を始めます。」
初めての魔法規定学の授業は、遅れた分をとりかえすため、などと先生が言って、かなり早くすすんでいった。遅れてきたロイスを皆が恨んだことだろう。




