1/12
ぼくとクドリャフカ
ぼくの親友、クドリャフカは酒を持ってぼくの元に来ていた。
「おう、落ちこぼれ、久しぶりだな」
クドリャフカはぼくの事を落ちこぼれと呼ぶ、ぼくはクドリャフカの事をクドと呼ぶ。
「ちょっと今日は話したい事があって来たんだ、聞いてくれよ落ちこぼれ」
彼はぼくの名前を呼んでくれた事がない。狗族仲間であり、同じ部隊員であったのに、たったの一度も。
「お前は酒、だめだったよな。お前のためにわざわざミルク持ってきてやったよ、好きだろう?」
クドとは昔からの付き合いだ。だからお互いがお互いの好みを知り尽くしている。
「それにしても、お前も変わってるよな。狗族なのに、肉を喰らうことを好まないってのは」
そう言いながらクドは慣れた手つきで自分の酒瓶と、ぼくのためのミルク瓶を開けた。そしてお互いが食べやすいように干し肉とパンを並べた。
「それでな、話したいことなんだが」
この話は、ぼくとクドリャフカ、そしてぼくら狗族のお話だ。




