五匹目~委員長はお嬢様~
二時間目は国語。
今日は古文の日だ
古文の担当の先生は女の人だ。
にしても、先生が変わると教室の雰囲気も代わるよな…
英語のときのむさ苦しさから解放された気分だぜ。
先生がまず、教科書を読み始める。
「じゃあ、誰かに読んでもらおうかな。」
先生がそう言うと、みんなが一斉に『当たりませんように』とでもいうような顔をした。
もちろんオレもその一人で教科書で顔を隠した。
「はい、じゃあ小泉さん!」
「はい。」
立ち上がったのは銀髪碧眼の美人。
長い髪をくるくると巻き、ハーフアップにしている。
見るからにお嬢様って感じで、つり上がった目大きな目や、上品そうな口元から威厳が感じられた。
そして、高校生とは思えないほどの巨乳。
まるでグラビアアイドルのようだ。
が……服装は制服ではなく、フリフリがこれでもかというぐらいついたワンピース。
その美人は教科書をすらすらと読み、何事もなかったかのように席に着いた。
「ああ、小泉さん?校内でも有名人よ。見た目もそうだけど、校内で二番目のお金持ちだし、うちのクラスの委員長だもの。」
萌に聞いたオレは妙に納得した。
うん…やっぱりお嬢様なんだな。
すると、
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
と悲鳴が聞こえ、振り返ってみると、そこには小泉さんがプリントをぶちまけていた。
「大丈夫か?」
とっさにプリントを拾うオレ。
しかし、手を叩かれた。
「え?」
「余計なことしないでくださる?わたくしは一人で十分ですわ!」
「困ってる人助けんのは当然のことだろうが!これ、どこに持ってったらいいんだ?」
「えぇと……職員室。」
オレはプリントを素早く拾い、教室を出ようとした。
「待って!」
オレの服の裾を小泉さんが掴んだ。
「コホンッ……こ、今回のところは感謝して差し上げますわ!それから、特別に…エリカと読んでくれても宜しくてよ?」
「…お、おう。わかったよ、エリカ。」