四匹目~部長は小学生?~
休み時間。
オレは、先生に職員室に呼び出されていた。
「玉木は前の高校で、何か部活をやっていたのか?」
「いえ。オレは帰宅部でした。」
先生は、オレに一枚の紙を渡してきた。
「この学園では、1年生の間は何かの部活に入らなくてはならないんだよ……その紙に書いてある中から選んで丸をつけて、今日中に提出してくれ。」
「はい、分かりました。失礼しました。」
部活か…
そういえば何も考えてなかった。
中学生の時、オレはサッカー部に入っていた。
でも、オレは運動神経がめちゃくちゃいいわけでもなく、かといってサッカーが本当に好きだというわけでもなく、友達に誘われてなんとなくやっていた。
3年間続けても、オレがレギュラーになる日は来なかった。
そんなオレが、高校に入ってもサッカーを続けたいと思うはずもない。
オレは成り行きで帰宅部を選択していた。
しかし、部活に入らなくてはならないとは……
オレはふと、紙を見て
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁあ!?」
と、叫んでしまった。
紙に書いてあった部活は
1漫画研究部
2アニメ研究部
3オカルト研究部
4ボカロ研究部
5アニソン部
6コスプレ部
7美少女研究部
8二次元研究部
9幼女研究部
10猫耳部
11魔法研究部
12幽霊部
13ネット部
14ジャ〇プ愛好部
15イラスト部
おい、この学園にはオタクやマニアしかいねーのかよ…
しかも、運動部ねぇし。
この中から選ぶとか、無理だろ…
オレが困り果てていると
「おやおや~?転校生くんではないか!」
と、後ろから女の子の声がした。
振り返ると、そこには金髪碧眼の美幼女がいた。
ふるゆわの長いツインテール。
澄んだ青い瞳に童顔。
身長は150㎝ぐらいとかなり小さい。
きゃしゃな体つき。
ぺったんこな胸。
「キミキミ~!何の部活に入る予定だぁ~い?」
「いや、今迷っているところなんだけど。」
「ならさぁ、『猫耳部』に入らないかぁ~い?」
猫耳部、ねぇ…
「いやいや~、キミの幼なじみが入って欲しいなぁ…的なことを言ってたからさぁ…」
幼なじみ?
「萌と和のことか!?」
「そうそう!萌にゃんとなごみんのことだよぉ!」
あの二人が入ってる部活か…
和はともかく、萌が入ってるなら大丈夫そうか。
あいつ、常識あるし、別にオタクってわけじゃないし。
「わかったよ。オレ、猫耳部に入る。オレの名前は…」
「わかってるよ。歩でしょう?くるみの名前は三ヶ島来未。くるみって呼んでね!」
「ん?あれ?もしかして、同じ高校生なの…か?」
「!!!!!!!!小学生じゃないやい!しかも、猫耳部の部長なんだよぉ!?」
「え、…わ、悪かった!オレが悪かった!……よろしくな、くるみ。」
「………………ん、よろしくね。」
こうしてオレは、わけも分からず猫耳部に入ることになったのだった。