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プロローグ
「くすん。くすん…」
泣いている……?
ふと見ると、茶髪の小さな女の子がいた。
たぶん、小1ぐらいだと思う。
顔はこんなに幼い子供であるのに関わらず、かなりかわいい顔をしていた。
そう、将来絶対美少女になりそうな。
「置いてかないで……歩…置いてっちゃやだよ…」
その子が呼んだ名前は、生まれてからずっと聞いてきた名前だった。
それもそのはず。
だってそれはオレの名前なんだから…。
目を覚ますと、そこは当たり前だがオレの部屋だった。
が、ベッドの隣には麗しき美少女が立っていた。
と、オレはベッドからずり落ちそうになり、とっさに何かを掴んだ。
ちなみに、ベッドのそばにいた美少女は、なぜかスカートを履いていない。
目の前には黒いレースのパンツ。
どうやらさっき掴んだのはスカートだったらしい。
「歩のバカーーーーーーーーーーーーーーーー!」
怒声と共に強烈なキックが顎を直撃し、オレは気絶した。