俺と王様
しばしの沈黙の後、涼の方から疑問の解決の為に話を切り出した
「えっと まず確認ですが、現状魔王は居ないと言う事でよろしいですか」
その質問に王様とヘイゼルは頷く
「次にですがあの広間で王様は私に魔王討伐を指示したのはなぜでしょう」
涼の質問に、すこし気まずそうに
「まさか、シルビアが勇者召喚を成功させるとは・・それとな・・・・・あの・・・娘の笑顔の前でな・・・魔王は居ないともいえず・・つい」
王様としての威厳はなく そこには、親馬鹿がいただけだった
状況がなんとなくだが理解できたら次は今後の事かと思いをはせる涼、
「次なんですが、召喚された者が元の世界に戻った記述とか書物はないのでしょうか」
その質問に申し訳なさそうにヘイゼルが答える
「我が国が勇者召喚を成功させたのは、今回で2回目でしかないのです、一回目はもう数百年前と伝承があるだけで詳しく残ってません、また大国ならなにかあるかもしれませんがなにぶん交流すらあまりないので詳しくはわかりかねます」
前途多難どころじゃないなと考える涼、交流が乏しいなら教えてくれとも、聞くだけで何か要求されかねない現状と判断し個人でどうにかするしかないかと考えていると
「サクラガワ殿、王として親として出きるだけの事はするつもりだが、どうか娘の事を恨まないで欲しい」
と突然声をかけられたので思考から現実に戻り王様をみつめる
「その事は気にしないでください、恨みがないといえば嘘になりますが、彼女のした事は理解できますし恨んでどうにかなるわけでもありませんし」
その言葉に少し安堵する王様
「ただ問題はあります」
「それは・・」
しばしの沈黙の後涼は語る
「誰がどのように姫さんに説明し納得させるかです」
3人とも誰かに擦り付けるのも嫌だし・・泣かれるのも・・って感じな思考がだだもれな沈黙が続く