俺と王宮2
「勇者リョウ・サクラガワよ 我が国の脅威となる魔王討伐に向かってくれるか」と王様が言う
涼は腕を胸に横一文字に構え、軽く頭をさげ
「魔王討伐の任務 謹んで辞退させていただきます」
周りは承諾すると思っていたのか、しばし沈黙のが続く
周りがざわめきだし 第一声をあげたのは 先ほどの宰相ぽい男だった
「き・貴様 王の命令を断るとは何事だ」と涼からするとこいつは馬鹿かとしか言いようが無い
次に少し目をウルウルさせながら姫さんが
「な・なぜですの勇者様」と見つめてくる、これには涼も気まずい
王様の方を見るとこの返答に納得してる感じと、すまなそうな表情が見てとれたので
「王よ、しばし我の言葉に耳をお貸しいただきたい」
少し沈黙の間を持つと皆が、涼の言葉聞く姿勢となった これで荒事は回避できるかと考えながらも、まずは怒らせるかと思案する涼
「まずは、貴方方に問おう この王は貴方達にとっては仕えるべき主かもしれない、ただ私にとってはそうでは無い、なら何故傅かなきゃならいない
そして貴方」と宰相ぽい男を指でさす
「先ほど言われた 王の命令を断るとはと言いましたが、貴方にとっては主だからそれはわかるが私には関係ない事だ、まして国民でもない」
その言葉に宰相ぽい男は顔を苦く歪め赤らめる
「それなのに何故、見も知らない人の為に、魔王討伐なんてしなきゃならない」
勇者らしくない言葉にざわめきだす会見の間、それでも何か言いたそうな付き人の女騎士がこちらが睨んでくる
「そこの貴方何か言いたいなら言ってください」と目線を送ると
「それでも姫様の召喚に応じたなら姫様の願いを叶えるのが勇者じゃないのか」と怒鳴ってくる
「貴方も何もわかってない、なら問おう もし貴方がいきなり知らない場所に連れてこられ、生活に苦しいからその体でお金を稼いでくれと言われ
わかりましたと納得し働けるのか」
その言葉の意味を理解したのか顔を赤らめ「そんな事出来るものか」と怒鳴りあげる
その様子を確認し
「次にお姫様」と笑顔を向けながら
「誠に申し訳ありませんが、私の意志で召喚に応じたわけではありません」その言葉に驚く姫
「いきなり魔方陣が目の前に現れ、妹や友人そして私を吸い込もうとした、結果、皆を守る為に仕方が無く私が犠牲となったのです」
その言葉はその場に居る者にとって予想外の物だったのだろう、みんな違いはあれど顔を青ざめていた
「ここまで言えば皆様達にも理解できましたか」
「もう一度言いましょう、私にとってはいきなり拉致されもとの場所にも戻せない、そしていきなり事情もわからずに魔王を倒せ、そんな事言われ
納得できる訳が無い」
その涼の演説にもいた語りが終わると、静かな部屋の中にはお姫様の鳴き声だけが響く