無意味な「日経平均株価」を「日本上級国民安泰指数」に改名した方がいい理由
筆者:
本日は本エッセイを選んでいただき誠に光栄です
今回は日経平均株価があまりにも無意味であるにも関わらず、
それを報道したり、景気の指標として扱われている違和感を個人的な感覚で解説したいと思います。
質問者:
昨日はGDPがほとんど無意味という話でしたが、
今日は日経平均に意味がないという話なんですか……。
筆者:
無意味な指標が報道され続けたり、経済を論じたりするのに評価したりするので、
非常にズレた政策になっていくと思うんですよね。
◇日経平均は「上がるように」できている
質問者:
具体的にどういうところが日経平均が無意味なのでしょうか?
筆者:
まず1点目として“日経平均”の会社内訳は頻繁に変化します。 ※現在225社
かつては倒産企業が出たり、合従連衡で企業が消滅したりした場合にのみ会社内訳の変更があったのですが、1991年以降には頻繁に内訳の企業が変更するようになりました。
今では4月と10月と年2回にもわたって“日経平均の会社内訳”の変更がなされます。
ちなみに今年4月の入れ替えでは、大和証券の24年1月の予想によりますと、
ソシオネクスト、ディスコ、ZOZOが日経平均追加候補に挙げ、
除外候補は宝ホールディングス、大平洋金属、住友大阪セメントを挙げています。
質問者:
見直すのはいいと思いますけど、年2回も見直していたらちょっと景気動向の指標としてどうなのかなと思っちゃいますよね……。
筆者:
また、日本の東証一部株式において約7%ずつが日本銀行と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資しており、更にこの2つは資金を引き上げることをしません。
このこと自体には海外に買収されるよりかは、
日本経済を支える上で問題ないと思っています。
しかし、株式の下支えとなっていることも間違いない事実です。
残り85%ほどが変動する要素であり、上がる要素が大きいということです。
質問者:
しかし、その状況って前々から変わっていませんよね?
去年の年末から日本株が突如として上がって言っているのはどういうことなんでしょうか?
もしかして「バブル経済」の再来ということはあるのでしょうか?
◇日本株が現在買われている3つの理由
筆者:
PBRから見た場合日経平均36,000円ぐらいが妥当だと言われていたので、
ちょっと過大評価気味になりつつあると思うのですが、
僕は「バブル経済」とまでは思いませんね。
実をいうとこの現在の日本株の上昇は海外投資家によって買われているんですね。
ちなみに、日本のNISAなどは海外株のS&P500や全世界株などがほとんどで新NISAが主因ではありません。
様々なことが絡み合っており断言することはできないのですが、
僕が注目した要素は3点あります。
1点目は中国の不安定化です。日本株は上昇していますが、中国は逆に10%以上年初から下げています。
中国経済が下がってきていることは“GDPでの偽装“以外の部門では明らかになってきています。
このことから年初からの日本の株高は中国株の投資資金分が日本に流れてきていることが考えられます。
2点目は年末ぐらいから株価純資産倍率(PBR)が低い(この値が低ければ低いほど資産を全て売却した際に、利益が出る)ことが周知され、「日本株はお買い得だ」という考えが世界中に広まったことが挙げられます。
このことから昨年10月ぐらいからの株高の一因となっています。
3点目は日銀の動向です。日銀が利率を上げ円高基調になるのではないか? と思われているために円安今のうちに買っておこうという海外投資家の心理が働いているわけです。
年始から加速度的に円安になっているのも円を売って日本株を買っているという状況だと思われます。
このことから、利率を上げて円高になった途端に株高が終了する可能性があるのではないかと僕としては思っています。
そのために一時的には日経平均は42,000円~45,000円ぐらいまでは上がるもののそのあと下落することは明らかなので長期投資には向いていないのではないか? というのが僕の感覚です。
積み立てNISAは損益通算が出来ないので、損をした際のケアがないです。
そのために、ちょっと日本のNISAで日本株を選ぶのは怖いかなと思います。
質問者:
今後の状況次第では近日中に下がるかもしれないわけですか……。
個別株の場合は見極めが難しそうですね……。
悲しいことは上のすべての株が上がった理由として、
日本経済が成長基調にあるから選ばれているわけではないということですよね……。
筆者:
本当にそうなんです。
更に申し上げるのでしたら日本の上で“過去最高“というだけで、世界から見たら、「で?」という感じなんです。
「過去最高値更新!」とか今後話題になると思いますけど、
そもそもこれまで、上がる環境だったにもかかわらず上がってこなかったことが異常だったのであり、
株価の上では正常化していっているだけだということです。
そのために今後は円高になったら3万中盤ぐらいまで下がるとは思いますが、
そこから下にはなるとは思えないので、「バブル経済」ではないとは思っているんですね。
NYダウも、NASDAQは前回日本の最高値だった時の34年前と比べると約14倍になっています。
世界の中で見て割安だから選ばれているというのは日本が取り残されてきた象徴ともいえる理由だと思います。
◇「日経平均株価」は「上級国民安泰指数」
質問者:
日経平均にほとんど意味がないことは分かりましたけど、
そうなるとこの「日経平均株価」というのはどういうことを示しているのでしょうか?
筆者:
NISAですらほとんど含まれていない日経平均株価の項目に投資している人は海外投資家です。
そうなると、日本人で関係がある人というのはそこで働いている一部の特権階級だけなので、「日本上級国民安泰指数」とかに名前を改名されると相応しいのかなと思いますね。
質問者:
それはまた辛辣な言い方ですね……。
筆者:
正直なところ大企業が儲かったところで、その社員すらせいぜい10%ぐらいしか給料が上がっていないわけです。
その金額は一見すると大きいように見えますが、株価上昇(この1年で1万円上昇)や利益過去最高などと比べると残念な数字だと言わざるを得ないと思います。
本当に無意味な数字を論じているなぁというのが僕の感想です。
大企業の業績が上がったところで、配当金と内部留保に溜まるだけでトリクルダウンは起きないので、
賃上げをすると法人税減税をするとかいう狂気の大企業優遇政策をやめていただきたいと思います。
むしろ法人税を引き上げて自主的に給料を上げさせるぐらいの気持ちでいいと思います。
これは大企業職員が確実に組織票として投票してくれることが大きな存在としてあります。
野党に能力が無く不満があるのは分かりますが、今の政治を肯定することの方が危険なので目を瞑ってでも野党の当選しそうな人に投票しましょう。
質問者:
昨日の筆者さんのご意見では、GDPよりも幸福度や実質賃金、可処分所得、労働満足度などで比べるべきだというお話でしたが……。
◇「幸福」はどういう状態なのかを精査する
筆者:
日経平均もGDPと同じくダメな方に昨日入れるべきでしたね(笑)。
日本においては“我慢が美徳”みたいな風潮があり、その上で自己責任が当たり前みたいな風潮があります。
老後の「2000万円問題」などが最たる自己責任論だと思っています。
業績が普通であれば給料が上がるのが当たり前な世の中になって、それと同時に幸福度が上がっていくことが大事になります。
そして老後に関して不安がない生活を作ることが少子高齢化対策にもなっていきます。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、現役世代の調査対象者5,000人のうち78.5%が「老後の生活が心配である」としています。
このような社会では閉塞感が出て当然です。
質問者:
お金が全てとは思いませんけど、あまりにも今はお金における将来の先行きの不安感が強いですからね……。
筆者:
今はしかも税金を取りすぎて働いても働いてもお金が残りづらい状況です。
そうなると、なるべく物を買わなくても幸福感を感じるようなモノの考え方というのが今後の人生において大事かなと思っています。
僕の知り合いではお金を稼いでいても物欲が凄すぎて車を買い替えまくったり、
ロレックスを持ったりしていても、あまり幸福に見えない方がいます。
今一度何があれば幸運かどうか? 何がなくても大丈夫か? 何がなくては生きていけないのか? ということを厳密に自分軸の価値観を精査していくことが大事だと思いますね。
特に多額のお金をかけなくても幸せを感じる瞬間というのを多く見つけ出すことが重要ですね。
質問者:
多額のお金を使ってすら幸福じゃないだなんて悲劇ですね……。
案外、幸福は身近なところにあるかもしれませんよね。
ちなみに筆者さんは何が一番大事なんですか?
筆者:
僕が大事にしているのは自由時間ですね。
自由時間があればこうして文章を書くことが出来ますし、色々と好きなことが出来ますので。
その分、貰えるお金は少ないですけど(笑)。
あとは、周りは稼ぎが少なくても許してくれるありがたい環境にいますので……。
総合的に見たらとても恵まれた環境にいると感謝して生きていますね。
ということでここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は日経平均が無意味である理由や、日経平均が上がっている外部的要因、
そして、幸福になるための自分の価値観をしっかり持ち、
お金を使わなくても幸福を感じることが大事ということをお伝えしました。
今後もこのような政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説をしていきますのでどうぞご覧ください。