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Pallet  作者: 朝紅茶
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第三話

金曜日の午後2時、いつもなら専門学校で学友と知識をつけている時間だったが、

行く気になれず、秀真は体調不良と言い自宅のベッドで休んでいた。

あまり休むことない秀真に学校を休んでいることを心配したメールが数件来ていた。


来ていた着信すべてに返信を終えると秀真は重い腰を上げ、

特にやることもないため、今日学ぶはずだったであろう教材を進めると

小一時間ほどで切り上げ、昼には遅く夜には早い時間だが

作り置きの物で腹ごしらえを済ませた。


空腹を満たした後いつものようにLOGを起動すると、

意識をLOGに移した。



「さてどうするか。」



約束の合流にはまだ時間があるのでそれまでどうしようかと

コンソール画面を開いた。



「あいつは...まだ来てないのか。ああ、今日あの日か。」



あいつというのはRashだ。

Rashは基本的にログインしている。ニートではない、高校生だ。

だが彼は全日制ではなく通信制の高校に通っている。

だから何だという話ではあるが今日ログインしていないのは

休み前定期的にある地獄のあれを受けるため登校せざるを得ない日だった。


(なら久々ソロプレイと行くか。)


そう思い、再びコンソールを開いて

今欲しいものの必要素材を確認し、マップで目的地を確認していると



「Noirさーん!」



声につられて後ろを振り返るとそこには

昨日振りの人物が上機嫌でこちらに近づいてきていた。



「?、ああアンズさんかあ、昨日振りだね」


「どもーというか「あ」多くないですか?」


「ごめんごめん、それよりなんかあった?」


「特にはないですよー、

というか用がないと声かけちゃダメでした?」



ん、なんかずれてないか?



「そうじゃなくて、なんか機嫌よさそうだったからさ」


「あぁ、そのことですかー

この時間知り合いはいつも学校なので知り合いがいるーってなって

少し舞い上がっちゃいました...へへ」



かわいい。

昨日話した感じだとすごいおとなしいって感じだったのに。

なんか、見えないけど尻尾振ってるように見える。



「次キャラリメイクするとき、獣人にするといいよ。」


「いきなりなんです!?...まーいいですそれよりNoirさん学校は?」


「ネットリテラシ―。」


「あー、ご、ごめんなさい」



謝らせちゃった、申し訳ない。

多分あんまりゲームとリアルとの差無いんだろうな

まぁ仮想現実みたいなもんだしなこれ



「怒ってはないから大丈夫だよ、ちょっと色々あって休んだんだ」


「なるほどー」


「・・・」


「・・・」



気まずい!特に話題がないときはほんとに気まずい!!

...とはいえ無理に話題を作るのもなんだし、うーん



「えっと、時間があるなら何するか?」


「なにかー?って何するんですか、まさかナニするんですか?!」


「なんでやねん、普通に装備新調したりとかしないかなぁって。

大体、LOG内じゃ制限外さないとハラスメント警告なるっての」


「急に関西弁!?って意外とそういうの対策されてるんですねー」


「で、どうするの?」


「Noirさんがめーわくでなければお願いしてもいいですか...?」


「いいよ、いこうか。」



そうして、俺とアンズさんは一時的にパーティを組むことになった。

とりあえず今の彼女のステータスを軽く確認する。



―アンズ(Female)

 狩人Lv17|Exp187/298

 H P 1195

 M P 1270 +100

 STR 55 +10

 INT 47

 VIT 47

 DEX 55 +5

 AGI 47

 LUK 30

  弓術士の弓(STR+10,DEX+5)

  アクセサリースロット0/3



このゲーム、防具はすべて衣装扱いだから全部アクセサリーに依存するんだよな。

それ自体はテンプレが出なくていいことなんだが、

アクセサリーは製作難度もドロップ率も低いんだよな。

ってなると今できることは、



「よしっ、弓新調ついでにレベリングしようか」


「はーい!あ、一つ聞いてもいいですか?」



作る弓の目処を立てた俺は

必要素材に目を通しながら頷いた。



「パーティメンバー、Rashさんも入ってるみたいなんですけどー...」


「ああ、そのことか

経験値共有するためにずっとパーティ状態なんだよ、俺ら。」


「??」



LOGではオフライン中でもパーティを組み続けることができ、

プレイ中じゃなくてもいつでもどこでも経験値を共有できる。

更にいえば経験値倍率は変わらないと来た。

こんなの、組まなきゃ損だろ?


不思議な顔をしていたアンズに似たような説明をすると

言ってたことの意味を理解してくれたようでRashがパーティ欄にいることに同意をしてくれた。


その後欲しい素材の入手場所を確認した俺は



「んじゃ、行こうか」



と、インベントリ内から出した呼び笛を鳴らすと、程なくして

鷹か獅子か理解のしがたい鳴き声を上げた声の主は

呼び出した主の元で着地した。


鷹の翼と獅子の体を持ったその生物を見てアンズは



「えーー!?グリフォン!??」



今日一番の声を上げるのだった。


お読み頂きありがとうございます


読者様の応援が作者の何よりのモチベーションとなりますので、「面白そう」「続きが気になる」と少しでも感じて頂けましたら、是非ブクマと評価の方頂けましたら幸いです。

ご協力の方よろしくお願いいたします...。


不定期投稿になるかもしれません、けど基本形は金・土・日に各一話ずつ出せたらと思ってます。

どうか最後までよろしくお願いします。

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