第一話
「無事か!!?」
そういって俺は、辺りを見渡し現在の状況を確認する。
(5人か。侍に、剣闘士に剣士?...ああナイトへの転職素材か
だとしたらまぁバランスはとれてるか。
後ろの子は狩人、気絶してる白魔は...MP切れか。
...相手は黒魔4に白が3、あの中央の杖持ちは召喚師、残りは前衛とボスか。
とりあえずこの数だけ多い骸骨消すか。)
「Rash!黒の真ん中にいるやつだけやったら前衛狩りだ。」
「はいよ」
指示を聞いたRashはどこから来たといわんばかりに突如として姿を見せ
指示通りに黒の真ん中にいる召喚士を一撃で飛ばすと同時に
召喚師の使役していた数十のスケルトンが消失する。Rashはその反動を利用して
Noirの前に戻り、すぐさま敵の前衛を薙ぎ倒していく。
「やっぱいつ見ても早いな、流石忍者。」
忍者という職業は最終職で双剣士と双銃士、後は侍を最大レベルまで上げた後に派生できる。
どの職業よりも速いと事前情報にあったが...やっぱいつ見ても早すぎない!?
そう感心している場合でもないと、すぐさまNoirは戦闘に意識を戻した。
「っさてと。」
(前衛ごと吹き飛ばしたいがこの子たちを巻き込みかねん。
...仕方ない、後衛の黒魔4と白魔3、後はボスの合計8人だけやって
前衛はRashに任せるか。)
「スターレイン」
「なんだ!?あれ!」
「やばいこっちめがけて飛んでくる!」
「うわぁあぁ!」
Noirがそう唱えるとNoirの背後から無数の光針のようなものを生成し、
敵の後衛めがけて無慈悲に敵を殲滅していく。
光針状の雨が止み、視界が開けた時には敵の姿は残っておらず
NoirはMP切れで気絶している白魔の彼女の元に寄ると、
「リジェネレート、付与<MP>」
そう唱えるとMP切れだった彼女のMPがどんどん回復し、しだいに意識を取り戻した。
どうやらRashの方も片付いたらしく、
「終わった?」
「終わったよ、全然張り合いなかった。」
「お兄さん強すぎ!」
「というか、はやすぎない?」
と残念そうにしながら助けた人たちを連れてこちらへ戻ってきていた。
仲間であろう彼らはこっちにいた仲間を見つけると安心したように駆け寄ってきて、
「エイル、アンズ、無事でよかったぁ」
「気絶したときはどうなるかと思った。」
「あの人の魔法でMPもどった!」
「魔法すごーってなってあの人来てから終始唖然だったよ私」
「ナイト昇格が遠ざからずに済んだぜ!」
仲間同士の談笑をしている傍で、俺達も俺達で近寄ると
「仲いいな、俺らみたい」
...開口一番それかよ、もっと安否確認し足りないのかよ
まあでも
「そうだな、んで、お前消耗は?」
「してないよ?まぁちょっと期待しすぎて心に大きな傷を...」
「はいはい、そんなことよりさ」
っと俺がちょっとばかし気になったとこをRashに聞こうとしたところで
さっきの5人組が仲間内で話し終わったのか俺たちの方に寄ってきて、
「助けてくれてありがとうございました!」
(元気だなぁ)
「全員無事か?」
「おかげさまで。何かお礼を、」
(クールキャラなのか?)
「感謝はされてもお礼はいらないよ、元々標的だったし結果的に助けたことになっただけだからさ。」
「それでも何かお礼をぉ」
(大丈夫なんだけどなぁ...それにしても、なんか見覚えあるなこの顔。)
「そうだ!私たちのギルドハウスに来てよ!」
(明るっ!太陽なの!?元気すぎない?この子)
「ギルドハウスはさすがに...時間も時間だし、な」
そう言いながらRashの方を見たが当の本人はどうやらこの人達に興味があるらしい。
折れるしかないようだなこれ...でもそろそろ2時になるし、
「日を改めてなら...」
「わかりました!じゃあフレンド申請...って自己紹介もまだでしたね笑
俺はCuri、<Pallet>ってギルドのリーダーしてます!」
「ああ、俺はNoir、となりのはRash、よろしく。」
それから各々の自己紹介を済ませながら一番近くの街、所謂セーフゾーンへ向かっていた。
道中、
「そういえば、標的だったって言うのはなんのことだったんですかぁ?」
「あのギルドにちょっと気になるヤツがいてな」
「好きな人!!?」
なんでやねん。
エイルっていったか?この子、すんごいがっついてくるなぁ、色恋話好きなんだろうな。
「ちがうちがう、PK以外でちょっと有名な害悪プレイヤーがいたはずなんだけど...外れだったみたい」
「PK?サッカーのことー?」
「「デジャブか。」」
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不定期投稿になるかもしれません、けど基本形は金・土・日に各一話ずつ出せたらと思ってます。
どうか最後までよろしくお願いします。