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72.鏡の中の時間軸

ストック不足のため、本日より一日一話更新になります。

 家に帰ると香里奈はジャージに着替えて僕の部屋を訪れた。


「お兄ちゃんシズカに会いに行くよ!」


「へっ?」


 鏡の中に行くのは休日だけと決めている。流石にクエストをクリアするには時間がかかってしまう。


「時間がないから無理だよ」


 家に帰ってこない僕達を両親は心配するだろう。だが、香里奈は笑いながらスマホを振っている。


「私のスキルで鏡の世界と現実世界の時間調整ができるんだ」


 僕より先にあっちの世界に行っていた香里奈は、僕が知らないことをたくさん知っているのだろう。


 スキルの効果で、時間軸を早めたり遅くしたりすることができるらしい。


 香里奈は現実世界の1分あたりを鏡の世界の約5分に延長することで、シズカと一緒にいる時間を作っていた。


 家族である僕達が過去に鏡の世界に行っていたことに気づかなかったのは、そのスキルのおかげだと言っていた。確かに1時間が5時間になれば、家族にバレないで鏡の世界に行ける。


 僕も着替え終わると香里奈と一緒に鏡の中に入っていく。


【キャラクタークリエイトをしてください!】


 僕はいつものようにステータスにポイントを振っていく。


――――――――――――――――――――


《ユーザー》

[名前] 駒田健(こまだたける)

[種族] 人間/男/童貞

[年齢] 17歳

[身長] 181cm

[体重] 65kg

[(チン)長] 最大7cm


《ステータス》

駒田 健 Lv.22

[能力値] ポイント0

HP(体力) 40

MP(魔力) 19 (+2)

STR(物理攻撃力) 33

INT(魔法攻撃力) 1 (+1)

DEF(物理防御力) 23

RES(魔法防御力) 0

DEX(器用さ) 20

AGI(素早さ) 28

LUK() 12 (+1)

[固有スキル] キャラクタークリエイト

[スキル] 逃走、急所突き、合成、短剣術、反映

[耐性スキル] 精神耐性

[称号] ホーンラビットの殺戮者

    幸運の持ち主

[テイム] シズカ(種族:ホブゴブリン)


――――――――――――――――――――


 この間のイーヴィルアイの精神干渉系魔法を受け続けて、耐性スキルを手に入れた。学校に行った時に前より不安を感じなかったのも、この耐性スキルがスキル:反映で影響されているのだろう。


 今回はホーンラビットの責手裏剣のスキル:回帰を使うために、魔力関係のステータスにポイントを振ることにした。


 決して(チン)長を第一優先にしたわけではない。


「お兄ちゃんってさっきから何してるの?」


 僕がキャラクタークリエイトをしていると、不思議そうな顔で香里奈が見ていた。側から見たら空中で手を動かして何かしている人に見えるのだろう。


「いや、ステータスにポイント振って強化してる」


「うぇ!? お兄ちゃんのスキルってそんなことできるの?」


「むしろ香里奈は何かすることあるのか?」


「私はSNSと固有スキルが連動しているから、フォロワーが増えたら強くなるよ」


 香里奈の固有スキルはSNSのフォロー人数が増えれば増えるほどステータスが増加し、桁数が変わる時にスキルを手に入れる仕様になっているらしい。


【本日のクエストはビッグホーンラビットの討伐です】


――――――――――――――――――――


【デイリークエスト】

[クエスト名] ビッグホーンラビットの討伐

[討伐数] 3体

[制限時間] 12時間


――――――――――――――――――――


 香里奈のスキルを使えば、現実世界で二時間程度で帰れれば問題ないのだろう。


「じゃあスキルを使うね!」


 香里奈がスマホのアプリを操作すると、大きな時計が出てきた。時計の針がグルグルと回ると、少しずつゆっくりと進み出す。


 その速度は進んでいるのかわからないほど秒針がゆっくりだ。


「ビッグホーンラビットってお兄ちゃんは倒したことある?」


「いや、僕も初めて聞いた名前だよ」


「そっかー。私が一人で鏡の世界に来た時はスライムとかコボルト、オークとかよく聞く魔物が多かったからさ」


 明らかに僕と香里奈の時では違うようだ。以前僕の気持ちに合わせてこの世界の時間軸が決まると言っていた。


 きっとそれと同じで僕の心と連動して出てくる討伐魔物が決まるのだろう。


 ゴブリンはあのいじめっ子の顔に似ているし、イーヴィルアイはSNSによる他者の目が関係している。


 そう思うとホーンラビット系はどこから来ているのだろうか。


 関係するところだと新しく友達ができたが、鎌田と関わる前にホーンラビットは存在していた。


「とりあえずお互いに能力を伝え、戦い方を考えようか」


 そう言って香里奈は僕の全身をスマホで撮っていた。

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