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51.駒田がドーン

 なぜか腕を離してくれない優樹菜とともに教室に向かうことになった。初めは香里奈も付いていくと言っていたが、学年毎に階が違うため断った。


「駒田くんはなんで今日髪の毛を下ろしているの?」


「めんどくさかったから――」


「韓国風も似合うね」


 何を見て韓国風って言っているのだろうか。疑問に思っていることに気づいた優樹菜は、背伸びをして僕の髪の毛に触れる。


「髪型と眼鏡が韓国風ってことだよ」


 寝不足で疲れているのに、朝からギャルに絡まれてさらに疲れてくる。胸が僅かに顔に当たるのは意図的になんだろうか。


「おい、お前優樹菜に近いんだよ!」


 声がしたと思ったら突然背中に衝撃が走った。寝不足の僕はそのままよろめいてしまった。


「あっ、兵藤さんごめんね」


 僕は優樹菜を壁に押し倒してしまった。これがいわゆる一昔前に流行った壁ドンなんだろうか。


 いや、壁ドンにしてはダサすぎる。


 どちらかといえば"駒田がドーン"って感じだ。


 急いで距離を取ろうとするが、優樹菜は僕に抱きついて離そうとしない。


「だから近いって言ってるだろ!」


 そんな僕を後ろから蹴ってきた工藤が僕を剥がしていく。そもそもこいつが蹴ってこなければ押し倒すことはなかった。


「怪我はないですか?」


「あっ……うん」


 顔を赤く染める優樹菜。恋愛ドラマのような空気感に僕は戸惑う。


 あまりにも意味のわからない空気感に、僕は急いで教室に向かった。


「これで優樹菜と一緒――」


「駒田くん待ってー!」


 なぜか追いかけてくる優樹菜から必死に逃げる僕。いつもより脚が軽くなった気がした。まるでスキル:逃走が発動しているような感覚だ。


 教室に着くと僕は自分の席に向かう。


「あれ……ない」


 教室の中央にぽっかりと開いた隙間。昨日まであった僕の席は無くなっていた。誰が動かしたのかわからないが、毎回僕の席だけ神隠しに遭っている。


「すみません、僕の机と椅子を知らないですか?」


 僕は隣の席の子に話しかけるが、頭を横に振っていた。誰かが使っているためどこかに移動させられたのかと、辺りを見渡すがなぜか教室にいるクラスメイトは僕と視線を合わせようとはしなかった。


 やはり見た目が変わっただけでは何も変わらないようだ。


「駒田く……ん?」


 そんな僕に優樹菜は声をかけてきた。彼女も僕の席が無くなっていることに気づいたのだろう。


 僕よりも早く帰った優樹菜もこの状況に戸惑っていた。


「あっ、なら駒田くん一緒に座ろうよ」


 そのまま腕を引っ張られると、僕は優樹菜の席に座らせられる。そして、僕の上に優樹菜が座ったのだ。


「えっ……?」


 やはり頭のネジが外れている彼女の行動は予想ができない。


 それは教室にいたクラスメイトも思ったのだろう。教室の中がざわめき出した。


「みんなおはよう!」


 そこに入ってきたのは植村と工藤だった。みんなが挨拶を返さないことを疑問に思ったのか辺りをキョロキョロしている。


 二人が僕を見つけると、さっきまで落ち込んでいた工藤が近づいてきた。


「お前! 優樹菜に何やってるんだ!」


 工藤は僕の姿を見るといきなり顔面に向かって殴ってきた。上にいる優樹菜に当たってはいけないと思い、とっさに庇いそのまま殴られた。


 だが、ゴリラの一撃は意外にも痛くなかった。


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