表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/85

48.シズカちゃんのお家

 クエストを終えた僕は家に向かって歩いていく。その後ろをずっと付いてくるシズカ。三歩後ろを歩く、昔ながらの女性タイプなんだろうか。


 いや、彼女はさっきまで周囲の魔物を狩り尽くし、辺りは魔物の死骸だらけになっている。


「お前はいつまで付いてくるんだ?」


「グギィ?」


 僕の言葉がわからないようで、ずっと首を傾げている。


「家、どこだ?」


 手で家の形を表して、手を大きく振るジェスチャーで帰ると伝える。すると理解したのかシズカも首を縦に振っていた。


「おー、ちゃんと家があるんだな」


 僕は再び歩き出すと、いつもより体が軽くなったことに気づく。後ろを振り返るとシズカが僕に向かって走ってきたのだ。


 体が軽くなったのはスキル:逃走が発動した影響だった。


 なぜかシズカに追いかけられることになった僕は再び走る。やはりシズカの走る姿は独特で、金棒を振り回しながら向かってくる。


 僕を襲ってこないとわかってはいるが、歯を剥き出しにして近づいてくる姿に恐怖感を覚える。


 気づいた頃には家に着いており、扉を開けたままの玄関に飛び込むように入っていく。


「はぁ……はぁ……」


 息を整えながらシズカを見ていると、ニヤリと笑っていた。どこか楽しそうならよかった。


 その後、僕はシズカがどこに帰るのかと見ていると、彼女は向きを変えて家の裏側に向かった。家に帰るという言葉は理解していたのだろう。


 僕はゆっくりとシズカの後ろをついていく。


「あっちに何かあるのか?」


 玄関の反対側、ちょうどベランダがある辺りに向かうとシズカはいつのまにか姿を消していた。あるのは昔飼っていた犬が寝ていた犬小屋と干してある洗濯物だけだ。


「あいつどこに行ったんだ?」


「ギィ?」


 後ろを振り向くとシズカはニヤリと笑っていた。相変わらず急に出てくるため僕はびっくりして、腰を抜かす。


「お前はどこに住んでるんだ?」


 再び家と歩くのジェスチャーをすると、シズカは犬小屋を指差していた。まさかと思いそのまま見ていると、シズカは犬小屋に入っていった。


 流石にそれはないと思いながらも犬小屋を覗く。すると、小さく丸まっているシズカがいた。


 どことなく昔飼っていた犬を思い出すが、さすがにゴリマッチョが体操座りをして丸くなっていても、住むには犬小屋では小さすぎる。


 オーガの金棒も大事なのか、柄の部分だけ犬小屋に入っており、さらに狭くなっていた。


 いつから住んでいたのかはわからないが、僕の家を知っていたのは裏に住んでいたからだろう。


「明らかに体のサイズと合っていないよな」


 僕は犬小屋に軽く触れるとデジタル音が聞こてきた。


【シズカの家を改造しますか?】


 今日一日驚きすぎて、改造できると言われてもさすが異世界だなとしか思えない。


【チッ! つまらない――】


「おいおい、舌打ち聞こえてるぞ!」


【……】


 やはり今回の担当者は態度を改めた方が良いだろう。僕の独り言にシズカは辺りを警戒している。


 犬小屋にいるからかどこか番犬に見えたが、番犬ではなく、実際は番鬼(・・)だろう。


「シズカの家を改造してくれ」


 守ってくれる存在なら良い家を用意してあげるべきと思った僕は改造することにした。


【そうなら早よ言ってくれ。こっちは準備するの大変なんだからさ。改造費100万円になります】


 明らかなぼったくり費用に僕は再び驚いた。


ブックマーク、☆評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ